第46回、一目均衡表その17、「一目均衡表の5つの線を使った総合分析、後編」

5、もみあい相場で使う一目均衡表

■ありがとうございます。ではも今度は、もみあい相場の分析にはいりましょう。 □トレンド系のテクニカル指標は一般的にもみ合い時には弱い。気をつけなくてはいけない。一目均衡表も今まで説明した話はトレンドがあるときの話で、もみ合い相場では使えない。このことも意外とわかってない人が多いので注意が必要。 ■でも、一目均衡表には。もみあい相場のときは、もみあい相場での見方があるんですよね。 □そのとおり。そこら辺が実に優秀なテクニカル指標だ。ちょっと下図を見てご覧。 ★図5もみ合い時の特徴は5つの線が横ばいになりくっついていく。5 つの線と言ったが遅行スパンは別物なので、上の図では遅行スパンは省いている。 ■ま、遅行スパンもトレンドがあるときに比べれば動きは緩やかになりますよね。 □ま、そういうことだ。上記の図をじっくりと見て、4つの線(転換線・基準線・先行スパン1・先行スパン2)のもみあい時の特徴を話そう。 ■確かに横ばいになって、くっついていっているのはわかります。 □まず、完全な横ばいになるのが、基準線と先行スパン2、転換線は基準線を中心に細かく上がったり下がったりを繰り返す。先行スパン1は先行スパン2を中心に細かく上がったり下がったりを繰り返す。 ■確かにそうですね。 □つまりもみあいの中心を表すのは基準線と先行スパン2、ここに特に注目だ。 ■基準線と先行スパン2に注目ですね。了解。 □価格変動がもみあいに入ると、まず基準線が横ばいになっていく。その後、もみあいが長期化すると先行スパン2が横ばいになっていく。つまり先行スパン2が横ばいになるということは、もみあいが長期化している証拠。 ■なるほど、そういうこともわかるんですね。 □そして大事なのは「基準線は短期間のもみあいの中心」、「先行スパン2は長期間のもみあいの中心」を示すということ。 ■ふむふむ。 □もみあいが長く続くとき、ほぼ基準線と先行スパン2は同じ価格で横ばいになることが多い。つまり二つの線が全く重なってしまうという現象が起こる。 ■よく見かけます。 □これは長期間もみあいの中心が変化していないということ。つまり本当に売り方と買い方の勢いが均衡という状態を示す。 ■でしょうね。 □ところがときどき、両線とも横ばいながら、位置が微妙に違うことがある。 ■つまり、横ばいでありながら、基準線が先行スパン2より上とか、下とかいうことですね。 □そういうこと。これは長期トレンドのもみあいと短期トレンドのもみあいが中心が違うということ。つまり、もみ合い状態はもみ合い状態でも水準を変えていることがわかる。これももみあい放れを予兆する。 ■なるほど。 □で、大事なことは、基準線・転換線はもみあいの中心を示すのだから、その中心より上がった分だけその後下がり、下がった分だけその後上がるというのがもみあいが継続するための条件。 ■でしょうね。中心という意味はそこから上の部分とそこから下の部分が同じということですからね。 □そのような状態を維持している間はもみあいの上限で売り、下限で買えばいいよな。 ■はい。 □ただし、もみあい相場もいつか終わる。 ■もちろん。 □私からのおすすめは、もみ合い中に細かくとろうとしないで、もみあい放れをいち早く見つけることに全力集中してもみあい放れをとる。 ■なるほど。もみあいの中でとれる幅はたかがしれてますものね。もみあい放れなら大きくとれる。