小次郎講師の移動平均線大循環分析徹底解説、「大循環分析」

1、エッジとは?

  □さて、大数の法則で勝つためには「資金管理」と「トレードエッジ」を究めることが大事。 ■エッジとは確率的に有利な局面ですね。それが大数の法則で勝つための絶対条件ですが、確率的に有利でも、資金管理をおろそかにすると負けてしまうという話でしたね。 □そうだ。そして本日はいよいよ確率的に有利な状況をどうやって見つけるか? 通常価格が上がるか下がるかはヒフティヒフティ。 ■ヒフティヒフティなんですね? □よく株式アナリストなどが、「今1,000円しているこの株だが、間違いなく来年には1,500円にはなる」などと予想をしているが、それが間違いない話なら、現時点で1,500円まで買われてなければおかしいのだということがわかってない。 ■来年1,500円になることが確実なら、1,100円でも1,200円でも買う人がいるでしょうから、買う人がいる限り値段は上がっていくわけですね。 □そうだ。その上昇がどこで止まるかというと、価格が1,500円近くになったら。そこまでは買う人が出てくる。ということは現在の価格が何故1,000円で決まっているかというと、そこから上がると思っている人と、いや下がるかもと思っている人がヒフティヒフティだからだ。 ■なるほど。 □ということで、価格がどんなに高くても、価格がどんなに安くても、そこから価格が上がるか、下がるかは五分五分なのだということをまず認識しよう。 ■はい。 □ところで、確率の問題で一般人がとても間違えてしまう話をする。投資にも影響する話だ。 ■なんでしょう? □丁半博打で丁が6回続けて出た。 ■えーと、丁半博打とはサイコロ二つを壺で振るやつでしたね。丁とか半とか言いますけどなんでしたっけ? □そこがわからなかったか。丁は偶数。半は奇数。つまり、このケースでは偶数が6回出たということ。そのとき、次回は偶数が出る確率より奇数が出る確率の方が高い。イエスかノーか? ■これは知っています。なんか6回も丁が出ると、次は半の方が出やすいと感じますが、実は丁と半の出る確率は常にヒフティヒフティ。つまりノー。 □さすがだ。6回連続だろうが、10回連続だろうが、その次に丁が出るか半が出るかは確率2分の1で変わらない。しかし、実際の生活の中ではイエスと考える人が多くて、もうそろそろ半が出るだろうと半に賭ける人の方が圧倒的に多い。これが典型的勘違い。 ■勘違いしやすいところですね。その点僕はさすがでしょ?小次郎講師に鍛えられているから。 □ムサシ君、調子に乗るな。それが分かっているきみでもトレードの中では勘違いをしてないか?もう4日も下がっているから、今日は上がるんじゃないの?とか、1週間上がり続けたから来週は少し下がるんじゃないかとか? ■それは全ての人がそう言いますよ。アナリストだってそう言います。 □実はそれを調べた人が海外にいる。3日連騰した後に売る、4日連騰した後に売る、5日連騰した後に売る、6日連騰した後に売る、以下その延長。いずれもエッジはなかった。 ■え?上がったら下がる、下がったら上がる、これは永遠のセオリーではないんですか? □先ほどの丁半博打と同じ、何回丁が出ようがその次に丁と半の出る確率はヒフティヒフティ。価格も同様。どこまで上がろうと、どこまで下がろうと、その後に上がるか下がるかは基本的にヒフティヒフティなのだよ。 ■そうなんですね。 □まずこの原則を理解してもらって、次に、そうは言っても若干バランスが崩れるときはある。いつでも完璧にヒフティヒフティというわけではない。機械ではないからね。これを綱引きで説明してみよう。 ■綱引きですか? □価格変動というのは買方と売方の綱引きのようなもの。この綱引きは人数も体格も力も五分五分の2チームで行われる。Aチームがぐいと引くと、Bチームが引き返し、センターラインを中心に一進一退の戦いとなる。しかし、綱引きを続けていると、やがてどこかでどちらかが体勢を崩す。一度体勢を崩すと、相手チームにするすると引きづられていく。しかし、負けている方も、どこかで体勢を立て直す。すると本来の力は互角なので、そこでまた激しいデッドヒートが繰り広げられる。そして、またどちらかが体勢を崩し、相手方にするすると引きづられていく。同じチームが連勝することもあれば、違うチームが勝つこともある。 ■なるほど、イメージしやすいです。互角のチームが綱引きをしているというのが相場なんですね。 □そういうこと。その中で体勢が崩れたときに、エッジが生じる。価格変動で言うと、そこにしばしの間トレンドが発生する。そこを見つけ出すためのツールがチャート分析。 ■了解しました。