第8回、移動平均線 その4、『 移動平均線の複数使い 』前編

□何かな、唐突に。

■「最近は25日線ではなくて 20日線を使うと聞きました。昔は1か月の営業日が25日前後あったので、25日線を使っていたけど、最近は20営業日前後なので、20日で見るのだ、というような話を先日受けたセミナーで某人気イケメン講師から聞きましたが。」

□そのイケメン講師の話はよせ。ま、1ヶ月という期間にこだわる必要は特別ないので、25日をわざわざ20日に変更する必要はないのだが、実はゴールデンクロスなどを計測するときに25日では少し遅い気がして、私も20日線をよく使う。では20日線で話をしよう。

■「えっへん。」

□勝ち誇るな、全然偉くないから。



□短期戦(例5日線)と中期線(例20日線)を使うケースでお話する。この移動平均の話を始めたときに、ムサシ君から、「ゴールデンクロスって二本の移動平均線のクロスのことじゃないんですか?」と質問があった。覚えてるか?

■「そうです。講師が価格と移動平均線のクロスが本当のゴールデンクロス・デッドクロスっておっしゃったのでびっくりしました。それまでずっと、短期線と中期線(または長期線)のクロスのことをそう呼ぶとばかり思ってたんで。」

□この質問は実に核心をついた質問だ。ムサシ君の言うとおり最近はゴールデンクロスと言うと、短期線と中期線(または長期線)のクロスのことを言うようになった。

■「でしょ?グランビルさん、古いんですよ。」

□古くないから。その場合のゴールデンクロスその他の考え方もグランビルの8法則がそのままあてはまる。前回、前々回の講義を「価格」と「移動平均線」ではなく、「短期移動平均線」と「中期(長期)移動平均線」というふうに置き換えて読み直してほしい。

■「それなら最初からそう説明してくださいよ。前回、前々回の講義が無駄になったじゃないですか。金返せ!」

□無駄じゃないから。・・・お金取ってないし。


□ムサシ君、大事なところだから落ち着いて聞いてくれ。本質に関わる話をするからね。移動平均線の極意につながるところだ。

■「極意?そう聞くと・・・気になりますね。(←単純。)」

□5日と20日の線をみるとき、基準となるのは20日の線。つまり直近20日の間に買った人(売った人)が現在どうなったかを調べていると思って欲しい。

■「思いました。」

□その人達が平均的にマイナスなのか、プラスなのか、そしてマイナスだとして、今そのマイナスはどんどん増えているのか、減ってきているのか、同じくプラスだとして、そのプラスはどんどん増えていっているのか、減ってきているのか、これは、そこに注目している指標なのだ。



■「なるほど、単純にクロスだけを見るのではなく、その過程もしっかりと見なくてはいけないと・・・。メモメモ。」