[今日の視点]貴金属=総じて続伸、NY高を引き継ぐ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、総じて続伸して寄り付く見通し。金はニューヨーク高を受けて買い優勢と
なろう。銀はドル建て現物相場の下落が圧迫要因になろう。プラチナ系貴金属(PG
M)はプラチナがニューヨーク高を受けて堅調となろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は5.55ドル高の
3226.90ドル、銀が7セント安の3234セント、プラチナが5.82ドル高の
999.01ドル、パラジウムは7.47ドル高の973.87ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=144.92/94円で、前営業日の
大引け時点から0.13円の円高。
 先限の寄り付き目安は、金が1万5155円前後、銀は154.5円前後、プラチナ
は4535円前後、パラジウムは4500円前後。
【NY金はムーディーズの米国債格下げが支援】
 金はきのうの海外市場は、ムーディーズの米国債格下げを受けて買い優勢となった。
 金はムーディーズの米国債格下げが支援要因になった。ムーディーズの米国債格下げ
を受けてドル安に振れた。ただ巨額の財政赤字は周知の事実とされ、ニューヨーク時間
にドル安は一服した。一方、米下院予算委員会は、トランプ大統領が掲げる減税策を盛
り込んだ法案を可決し、本会議での週内の採決に向けて前進した。この減税策で予想以
上に債務負担が拡大するとの見方が出ている。
 トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領が、電話会談を行った。米大統領は電話
会談は非常にうまくいったとし、ロシアとウクライナは停戦に向けた交渉を直ちに開始
すると述べた。ただ即時停戦について合意の発表はなく、先行き不透明感が残ってい
る。
 銀はきのうの海外市場は、ドル安や金堅調を受けて買い優勢となったが、ニューヨー
ク時間に上げ一服となった。
【NYプラチナは金堅調や株高が支援】
 プラチナはきのうの海外市場では、金堅調や株高を受けて買い優勢となった。
 プラチナは金堅調や株高が支援要因になった。ムーディーズの米国債格下げを受けて
米国売りの動きが出たが、ニューヨーク時間に米国売りの動きは一服し、プラチナに押
し目買いが入った。
 ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)の四半期報告によ
ると、2025年のプラチナは30トンの供給不足となり、3年連続の供給不足が見込
まれた。前回の需要見通しから4トン上方修正された。トレバー・レイモンドCEO
は、「今日の地政学がもたらす不確実性とは無関係に、プラチナ市場は構造的な不足に
陥っている。米国政府の関税政策に対する新たなアプローチが実施され始めても、プラ
チナの多様な需要はかなりの底堅さを維持すると考えられる。同時に、プラチナ鉱山の
供給が引き続き下振れリスクに直面していることも広く認識されている」と述べた。
<今日の予定>
・キャッシュレートターゲット公表(オーストラリア準備銀行)
・独生産者物価指数 2025年4月(連邦統計庁)
・ユーロ圏国際収支 2025年3月(ECB)
MINKABU PRESS 東海林勇行

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