<金> NY金12月限は9月23日に3824.6ドルに達した後は反落。3800ドルを 上値抵抗線とするもちあいとなったが、9月29日の週を迎えてからは再び騰勢を強 め、10月2日にかけて一代高値を更新する場面が続き3923.3ドルまで値を伸ば した。 米国では2026会計年度(2025年10月1日〜2026年9月30日)の歳出 法案が成立するまでの間のつなぎ予算が否決されたことを受けて政府機関の一部閉鎖さ れたことから、金を安全資産として買う動きが活発化していることが金価格を押し上げ ている。 8月の米雇用動態調査(JOLTS)は事前予想を上回る強気な内容となったもの の、9月の米消費者信頼感指数は雇用の機会を巡る懸念から事前予想を下回る弱気な内 容になった。また9月のADP全米雇用報告は民間雇用者数は予想に反し3万2000 人減と2023年3月以来最大の落ち込みになっており、米雇用不安が根強い。 米政府閉鎖により今後の米統計の発表の見通しにも不透明感が強く、今月28〜29 日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に米連邦準備理事会(FRB) が米経済状況を把握できない状況が続く可能性もある。 米政府閉鎖がどの程度の期間、継続されるか見通しが立たないだけに米経済に対する 不安感が強まり、金市場には安全資産を求める資産が流入し、再び最高値を更新する可 能性を含めたうえで3850〜3900ドル前後のレンジでの動きが続きそうだ。 <銀> NY銀12月限は9月22日以降、利食い売りを消化して、上値を探る動きを継続 し、10月2日には4801セントと一代高値をつけた。 米経済不安や米相互関税引き上げにより米製造業の活動には停滞感もあるが、上値追 いとなっているNY金に追随高となっている。 安全資産としてNY金が高値圏で堅調に推移が見込まれるだけに、NY銀は2日の安 値4571セントを支持線に下値堅く推移が想定される。 <白金> NY白金1月限は9月23日以降、騰勢を強めて9月30日には1655ドルに達し た。その後は緩やかに軟化しているものの、米政府機関閉鎖に伴う不安感やドル安、金 の堅調が下支え要因となり1590ドル前後の値位置は保っている。 米政府機関の閉鎖は短期に終わるとの見方も浮上しているものの、実際にはつなぎ予 算が可決に至り、政府機関が再開されるまでの見通しには不透明感が強く、それまでの 間、米経済指標がどの程度、発表されるか把握できないことで米経済に対する不安感が 深まると見られる。 NY金がこれらの不安から高止まりすると予想されるだけに、NY白金も金に連動高 となる可能性が高い。 <パラジウム> パラジウム12月限は1300ドル前後でのもちあいとなっている。NY白金に連動 し9月22日から26日にかけて浮上したものの、独自の材料を伴わない動きだけに 買い一巡感が強まっている。 上伸後の玉整理が一巡したら上向く可能性はあるが目先は1300ドル前後での高下 となりそうだ。 MINKABU PRESS
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