[Vol.1027] 隣の芝生の青さが、金・プラチナ投資のヒント[1]

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。73.82ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,758.05ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年09月限は12,800元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年08月限は459.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで699.85ドル(前日比6.85ドル拡大)、円建てで2,502円(前日比24円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(6月30日 19時31分頃 先限)
6,242円/g 白金 3,740円/g
ゴム 224.2円/kg とうもろこし 33,690円/t

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「隣の芝生の青さが、金・プラチナ投資のヒント[1]」

前回は、「金相場は「鳥の目」で分析すべし」として、金とプラチナ相場を分析する上で欠かせないテーマについて書きました。

今回は、「隣の芝生の青さが、金・プラチナ投資のヒント[1]」として、金とプラチナの投資戦略を練る上で考慮したい、この数カ月間の日本の個人投資家の心理状態について書きます。

前回、「虫の目」を捨て、「鳥の目」になり、複数の材料を俯瞰することが、「現代の金相場」の動向を考える上で欠かせないと書きました。また、具体的な複数のテーマ(材料)について、触れました。

今回と次回以降で、材料ではなく、「投資対象」を俯瞰したい(金だけ、プラチナだけ、ではなく、これら2つを同時に投資対象とすることを考察したい)と思います。当社で毎月実施している、個人投資家の皆さまにさまざまな質問にお答えいただく投資家サーベイ「楽天DI」のデータに、印象的な動きが見られたためです。

今後の日経平均株価やドル/円などの主要銘柄の動向をどのように考えているかを問う質問や、時節に合わせた親しみやすい月替わりの質問、さらには、「今後、投資してみたい国(地域)」「今後、投資してみたい金融商品」という質問もあります。

今回注目した「今後、投資してみたい国(地域)」という質問は、複数回答可で、選択肢は、日本、アメリカ、ユーロ圏、オセアニア、中国、ブラジル、ロシア、インド、東南アジア、中南米(ブラジル除く)、東欧、アフリカ、特になし、の13個です。なお、5月に実施した調査の回答数はおよそ6,300でした。

5月の調査で、今後投資してみたい国(地域)の選択肢のうち、最もたくさんの投資家の皆さんに選ばれたのは「アメリカ」でした。なんと73%でした。10人中7人以上が、アメリカを今後投資してみたい国に選んだわけです。一方、日本は30%でした。

次回以降、この数カ月間目立っている「アメリカ上昇・日本低下」の背景について書きます。

図:今後、投資してみたい国(地域)


出所:月次投資家サーベイ「楽天DI」のデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。