[Vol.1040] OPECプラス、2週間遅れで8月以降の方針を合意

著者:吉田 哲
原油反落。米主要株価指数の反落などで。69.72ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,804.45ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年09月限は13,500元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年09月限は435.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで724.85ドル(前日比18.35ドル拡大)、円建てで2,555円(前日比42円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(7月19日 18時51分頃 先限)
6,367円/g 白金 3,812円/g
ゴム 211.6円/kg とうもろこし 34,790円/t

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「OPECプラス、2週間遅れで8月以降の方針を合意」

前回は、「暗号資産の懸念拡大は金の上昇要因」として、前回まで述べた、大台に再び達するシナリオを描く上で必要と考える4つの要素の1つである、「暗号資産への懸念が大きくなる」について、書きました。

今回は、「OPECプラス、2週間遅れで8月以降の方針を合意」として、紆余曲折を経てようやく決まった8月以降のOPECプラスの減産の方針について書きます。

OPECプラスは、8月以降の方針を決めるはずだった、第18回OPEC・非OPEC閣僚会議を2度延期し、そして中止しました。そしてようやく、7月17日(土)に次回の日程が定まり、翌18日(日)、第19回OPEC・非OPEC閣僚会議を開催し(実質、4度目の正直)、ようやく、8月以降の減産の方針を決めました。

昨年から、会合の延期がしばしば見られるのは、脱炭素が世界的なブームと化し原油市場をめぐる環境が急変しているため、産油国の間で今後の減産の方針についての考えが異なり始めてきていることが、一因とみられます。

今回の会合を何度も延期させた当事国であるUAE(アラブ首長国連邦)の大臣は、以前の会合まで、サウジやクウェートなどの大臣と同様、アラブ人特有のいでたちで会合に参加していましたが、今回の会合では、スーツ姿で登場しました。このシーンは、UAEの心変わりを連想させました。

また、中東のみならず中南米、西北アフリカ、ロシア連邦とその周辺に存在するOPECプラス23カ国が、コロナ禍の折、本部があるウィーンに一堂に会することが難しく、オンラインでの会合が続いています。

このため、以前のように、要人が会合の最中、一時帰国し再び会合に復帰するのを待つ、などの必要がなく、機動的に日程調整ができるようになっている点も、会合延期がしばしば起きる要因であると、考えられます。

4度目の正直となった会合で、サウジとUAEが減産基準量をめぐる協議で妥結し(サウジがUAEの主張を受入れ)、懸案事項が解消されたことで、今後も規模を縮小しながら、減産を継続することになりました。

実際のところ、彼らの原油生産量はどのように推移するのでしょうか。以下は、OPECの資料などをもとに作成した、OPECプラスのうち、減産に参加している(イラン、ベネズエラ、リビアの減産免除国を除く)20カ国の原油生産量の推移です。

図:OPECプラスのうち減産に参加する20カ国の原油生産量の合計 単位:百万バレル/日量


出所:OPECの資料およびブルームバーグのデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。