アフガン民主政権崩壊の影響は?

著者:菊川 弘之
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 ニクソンショックから50年に当たる8月15日。アフガニスタンのイスラム主義勢力タリバンが、首都カブールを制圧し、全土掌握を宣言した。9.11米同時テロ後の米軍進攻によるタリバン政権崩壊から20年。米軍の後ろ盾を失ったアシュラフ・ガニ大統領は国外に退避し、親米民主政権は完全に崩壊した。

 バイデン大統領は16日、ホワイトハウスでの演説で、アフガン政府の崩壊が「想定より早かった」と認めつつ、「私は米国の終わりなき戦争に終止符を打つ決断を後悔していない」と述べ、駐留米軍を完全撤収させる方針が正しかったと強調したが、カブール国際空港に人々が押し寄せてパニックとなり、米空軍機にしがみつく姿が報じられ、米軍撤退に固執し、人道危機を招いたという非難も増えている。それでも、来年に米中間選挙を控え、米国の内向き姿勢は更に強まっていくと思われ、中東を始めとした国際秩序の再編が急速に進みそうだ。

 ロシアも、米国の中東撤退でイスラエルに対する姿勢を変え始めている。米露首脳会談(6/16:ジュネーブ)の準備会合では、アフガニスタンをどうするかと言うことが外交官同士では話し合われたのに、本会談では、バイデン大統領が話題に出さなかったことで、ロシアはイスラエルのシリア攻撃を黙認するのをやめた模様。7月19-22日にイスラエルがシリアの政府軍やシーア派民兵団の軍事拠点を空爆した時、シリアに防空網を構築してあるロシア軍は迎撃ミサイルを発射してイスラエル側が発射してきたミサイルの大部分を撃ち落とした。

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

日産証券主席アナリスト / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。
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