NY金、変化の起こりやすい時間帯へ向かう

著者:菊川 弘之
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 NY金(12月限)は、8月の米小売売上高が市場予想に反して増加。9月の米フィラデルフィア連銀の製造業景況指数も市場予想を上回って改善したことから、主要通貨に対してドル買いが強まったことを嫌気して急落となった。

 9月に入り、弱気の雇用統計や、事前予想を下回ったCPIなどから、次回FOMCでのテーパリング示唆思惑が後退していたが、その後に発表された米マクロ経済指標の強気が相次いだことで、市場の思惑以上にFRBがインフレを懸念するケースも意識されてきた感触。

 一目均衡表では、先週の雲の下(弱気の時代)から雲の中(中立の時代)へ移行している。雲の下限や基準線と重なる1750ドル水準を維持できるか否かが焦点。変化が起こりやすい基準数値・対等数値の日柄は、17日・23日・28日。満月は21日。雲のねじれは9月下旬。日本市場は、20日(月:敬老の日)、23日(木:秋分の日)と、飛び石で休場となる。中国も中秋節の休場や、10月には国慶節の長期休場が控える。

 中国第2位の巨大不動産企業である恒大集団の過剰債務や資金繰り問題と、米リーマン・ショックと比較する動きが出始めている。

 ゴールドマン・サックスは15日のリポートで、2兆元(約3050億ドル)近い債務を抱えた恒大集団が直面している危機が、同国の不動産セクターに幅広く波及するリスクがあると警告。

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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