NY金、変化の起こりやすい時間帯へ向かう

著者:菊川 弘之
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 JPモルガンもリポートで「(危機)波及を防ぐための新たな措置が政府によって必要とされている」とし、顧客やサプライヤーの利益を守るために事業は継続されると見込んでいるとした。

 お祝い事である国慶節の時期を避け、中秋節休場を利用した破綻発表や破綻処理には注意したい。今月、天安門に暗示的なブラックスワンが舞い降りたが、チャイナリスクには要注意。最終的には中国政府が解決に乗り出すことで、金融危機には発展しないとの見方が多いが、製造業に余剰人員を提供するために荒療治に踏み切るのではないかとの観測もある。

 休場絡みで薄商いの中、ハードランディング処理報道が流れれば、一時的に金(GOLD)も含めたリスク資産売りが出るかもしれないが、その場合は、米の金融緩和姿勢が長期化することで、リバウンドも早いだろう。世界的な金融危機となるなら、それこそ「安全資産」としての金買いが始まるだろう。いずれにしろ、リスク資産売りに追随した金の安値は、中長期的な買い場と見る。

 また、FOMC絡みで金が続落した場合も、バーナンキショック~テーパリング開始時と同じように、「知ったら終い」となるのではないか? 変化の起こりやすい時間帯に示現する金の突っ込み安値を売り込むのは避けたい。

 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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