週刊石油展望

著者:三浦 良平
ブックマーク
 先週末のWTI原油は前週比2.35ドル安の52.57ドル、ブレント原油は4.71ドル安の57.11ドルとなった。

 前週末2日は大幅上昇した。前日にトランプ大統領の対中関税第4弾公表による下落に対する調整高となった。

 先週は大幅下落にした。週初め5日は反落。米中摩擦の激化を背景にした警戒感や中国が輸出下支えのため人民元を7元台まで切り下げたことや、それに対しトランプ大統領が為替操作と批判を繰り広げたことなどから投資家のリスク回避を巻き込み下落した。翌6日は大幅続落となった。序盤は翌日発表のEIA石油統計にて原油在庫が取り崩し予想であったことも手伝い底堅く推移した。米中摩擦による需要減や元安による中国の購買力低下等が意識され、ストップロスの手じまい売り等から下落した。翌7日も大幅続落となった。早朝のAPI統計では原油在庫が340万B減少と予想以上の減少となったが反応薄く、米国時間にEIA統計を控えたものの売りが先行した。同統計で原油とガソリンが予想外に増加の発表となりWTI原油は50ドルの半ば程度まで大幅に下落する場面があった。ただ、短期的な下げ過ぎ感や6月につけた安値50ドル台で止まったことから値を戻した。翌8日は反発。前日NY時間引け後に株高進行したことやサウジアラビアの原油安けん制発言もあり時間外で大きく値を戻した。ただその後は株高の環境下ではあったが方向感定まらず推移した。週末9日は本邦勢が連休を控えていることもあり東京時間は手じまい売り優勢の展開となったが、夜間に小幅に買い戻され週末を迎えようとしている。

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。