原油反発。米国の主要株価指数の反発などで。82.14ドル/バレル近辺で推移。
金反発。ドル指数の反落などで。1,780.80ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年01月限は14,750元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年12月限は520.2元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで724.3ドル(前日比3.1ドル縮小)、円建てで2,683円(前日比20円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(10月22日 17時40分頃 6番限)
金 6,558円/g 白金 3,875円/g
ゴム 230.9円/kg とうもろこし 40,370円/t
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「「脱炭素」がもたらす別の懸念」
前回は、「原油高、身近な品目高は続く!?」として、筆者が考える、足元の原油相場の上昇要因をまとめました。
今回は、「「脱炭素」がもたらす別の懸念」として、前回述べた「インフレ」とは別の、「脱炭素」がもたらす懸念について述べます。
前回、「脱炭素」は「インフレ」という、世界的な大きな懸念の源泉であると述べました。しかし、「脱炭素」がもたらす懸念はこれだけではありません。「重要品目の品不足」もその一つに挙げられます。「脱炭素」が「電化」という側面を持っていることが、その要因です。
電気を通しやすい銅、電池の原材料として用いられるニッケルやコバルト、電子製品を作る際に多用されるアルミニウムなどの在庫が減少傾向にあると報じられています。今月に入り、LMEの銅価格が、4カ月ぶりに10,000ドル/トンの大台に達しましたが、その背景は、在庫が記録的な水準まで減少したこととされています。
「電化」に関わる非鉄金属価格の上昇もまた、「インフレ」の一因とみられるわけですが、原油高は「多くのモノの価格の底上げ」、非鉄金属価格高は「部分的なコスト上昇」と分けられます。人類が、「脱炭素」を主に「電化」で対応しようとしていることが、非鉄金属価格高の一因と言え、こうした価格上昇もまた、「脱炭素」起因の大きな懸念と言えます。
目下、世界では「脱炭素」を推進することがリーダーとしての当然になっています。バイデン氏が米大統領選で勝利できたのも、「脱炭素」を強く訴求したことが大きいでしょう。どの社会でも、「脱炭素」を推進しない人物はリーダーになれない風潮すらあります。また、多くの金融機関が、「脱炭素」を推進しない会社には投資をしない、という方針を打ち出しています。
これまで以上にリーダーシップを発揮したり、これまで以上に経済発展を実現したりするためには、自分や会社を「脱炭素化」させることが求められているわけです。本来、「脱炭素」は、人類共通の課題である「温暖化」の進行を遅らせることを目的としているわけですが、実際には、「権力奪取」や「企業の生き残り」のための道具と化していると言えるでしょう。
ではどうすれば、「脱炭素」が懸念でなくなるのでしょうか?答えは簡単です。人類が豊かな生活を諦めることです。人類が豊かな生活を諦めれば「脱炭素」が本来の道筋から逸れることはないでしょう。ではそんなことができるのでしょうか?できないでしょう。人間は欲深い生き物だからです。
そう考えれば、「脱炭素」は今後も、「インフレ」や「重要品目の品不足」という世界規模の懸念を振りまき続けるでしょう。そうなれば、金(ゴールド)相場の上昇の一因になり得る「有事のムード(資金の逃避先需要)」や「代替通貨(物価上昇時の通貨価値の希薄化による需要)」起因の金相場への上昇圧力は、今後も続く可能性があります。
「脱炭素」が、本来の目的から逸れている(人類が脱炭素を「権力奪取」や「企業の生き残り」のための道具として使っている)うちは、金(ゴールド)相場は、次の節目である1,800ドルを通り越し、1,900ドルをつける可能性があると筆者は考えています。
図:NY金価格日足 単位:ドル/バレル
出所:ブルームバーグのデータをもとに筆者作成
金反発。ドル指数の反落などで。1,780.80ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年01月限は14,750元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年12月限は520.2元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで724.3ドル(前日比3.1ドル縮小)、円建てで2,683円(前日比20円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(10月22日 17時40分頃 6番限)
金 6,558円/g 白金 3,875円/g
ゴム 230.9円/kg とうもろこし 40,370円/t
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「「脱炭素」がもたらす別の懸念」
前回は、「原油高、身近な品目高は続く!?」として、筆者が考える、足元の原油相場の上昇要因をまとめました。
今回は、「「脱炭素」がもたらす別の懸念」として、前回述べた「インフレ」とは別の、「脱炭素」がもたらす懸念について述べます。
前回、「脱炭素」は「インフレ」という、世界的な大きな懸念の源泉であると述べました。しかし、「脱炭素」がもたらす懸念はこれだけではありません。「重要品目の品不足」もその一つに挙げられます。「脱炭素」が「電化」という側面を持っていることが、その要因です。
電気を通しやすい銅、電池の原材料として用いられるニッケルやコバルト、電子製品を作る際に多用されるアルミニウムなどの在庫が減少傾向にあると報じられています。今月に入り、LMEの銅価格が、4カ月ぶりに10,000ドル/トンの大台に達しましたが、その背景は、在庫が記録的な水準まで減少したこととされています。
「電化」に関わる非鉄金属価格の上昇もまた、「インフレ」の一因とみられるわけですが、原油高は「多くのモノの価格の底上げ」、非鉄金属価格高は「部分的なコスト上昇」と分けられます。人類が、「脱炭素」を主に「電化」で対応しようとしていることが、非鉄金属価格高の一因と言え、こうした価格上昇もまた、「脱炭素」起因の大きな懸念と言えます。
目下、世界では「脱炭素」を推進することがリーダーとしての当然になっています。バイデン氏が米大統領選で勝利できたのも、「脱炭素」を強く訴求したことが大きいでしょう。どの社会でも、「脱炭素」を推進しない人物はリーダーになれない風潮すらあります。また、多くの金融機関が、「脱炭素」を推進しない会社には投資をしない、という方針を打ち出しています。
これまで以上にリーダーシップを発揮したり、これまで以上に経済発展を実現したりするためには、自分や会社を「脱炭素化」させることが求められているわけです。本来、「脱炭素」は、人類共通の課題である「温暖化」の進行を遅らせることを目的としているわけですが、実際には、「権力奪取」や「企業の生き残り」のための道具と化していると言えるでしょう。
ではどうすれば、「脱炭素」が懸念でなくなるのでしょうか?答えは簡単です。人類が豊かな生活を諦めることです。人類が豊かな生活を諦めれば「脱炭素」が本来の道筋から逸れることはないでしょう。ではそんなことができるのでしょうか?できないでしょう。人間は欲深い生き物だからです。
そう考えれば、「脱炭素」は今後も、「インフレ」や「重要品目の品不足」という世界規模の懸念を振りまき続けるでしょう。そうなれば、金(ゴールド)相場の上昇の一因になり得る「有事のムード(資金の逃避先需要)」や「代替通貨(物価上昇時の通貨価値の希薄化による需要)」起因の金相場への上昇圧力は、今後も続く可能性があります。
「脱炭素」が、本来の目的から逸れている(人類が脱炭素を「権力奪取」や「企業の生き残り」のための道具として使っている)うちは、金(ゴールド)相場は、次の節目である1,800ドルを通り越し、1,900ドルをつける可能性があると筆者は考えています。
図:NY金価格日足 単位:ドル/バレル
出所:ブルームバーグのデータをもとに筆者作成