シェール業者の開発動向に動きあり② リグが減ってもシェールは増える!?

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反発。原油コメントなどで。55.30ドル/バレル近辺で推移。

金反落。金コメントなどで。1,523.95ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年01月限は11,375元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。19年09月限は424.6元/トン付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで684.75ドル(前日比4.45ドル縮小)、円建てで2,285円(前日比22円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(8月16日 17時22分頃 先限)
 5,152円/g 白金 2,867円/g 原油 36,010円/kl
ゴム 170.7円/kg とうもろこし 22,490円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「シェール業者の開発動向に動きあり② リグが減ってもシェールは増える!?」

今回は、前回触れたDUCの動向に直接的に関わりがある掘削済井戸数と仕上げ済井戸数について書きます。

以下のグラフは、米シェ―ル主要地区における掘削済井戸数と仕上げ済井戸数の推移です。

ともに、シェール開発工程の「探索」→「開発」→「生産」の「開発」に関わる指標です。

詳細は前回の「シェール業者の開発動向に動きあり①」のとおりです。

ここ数カ月間の動きとしては、掘削済井戸数が減少、仕上げ済井戸数が増加しています。

2016年半ば以降、掘削済井戸数が先行して増加してきましたが、2018年終盤から減少に転じました。

一方、仕上げ済井戸数の増加は続いています。

これらの2つの指標の動きから、シェール業者等が現在、以下のような意思を持っていると考えられます。

1.開発段階で最も費用が掛かり、かつ、完了すれば原油の生産を開始できる仕上げの実施は、開発にかけた資金を回収するため、原油生産を開始することを前提としているとみられる。仕上げが完了した井戸の増加が続いていることは、今後も原油生産量を増加させる意思があることを示唆している。

2.開発段階の前工程である掘削が完了した井戸が減少している。仕上げを行う井戸を、新たに掘削をした井戸から掘削を終えているが仕上げが行われていない井戸(DUC)に徐々に切り替え、開発にかける費用を抑える意思があることを示唆している。

つまり、シェール業者は、今後もシェール主要地区での原油生産を拡大させる意思があり、かつ、開発に関わるコストを抑えようとしているとみられ、そのために掘削済井戸数が減少し、仕上げ済井戸数が増加し続けているのだと思います。

このように考えれば、毎週金曜日(日本時間土曜日)にベイカーフューズ社が公表する稼働リグ数は減少してしかるべきであり、かつ、稼働リグ数が減少しても同地区の原油生産量は減少しない可能性があるといえます。

図:米シェール主要地区の掘削済井戸数と仕上げ済井戸数(7地区合計)
単位:基
米シェール主要地区の掘削済井戸数と仕上げ済井戸数(7地区合計)

出所:米エネルギー省(EIA)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。