[Vol.1142] 2022年の金(ゴールド)の予想レンジ

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。71.47ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,788.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年05月限は14,390元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年02月限は468.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで862.9ドル(前日比4.6ドル拡大)、円建てで3,120円(前日比3円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月22日 12時9分頃 6番限)
6,552円/g 白金 3,432円/g
ゴム 230.1円/kg とうもろこし 38,530円/t

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「2022年の金(ゴールド)の予想レンジ」

前回は、「「2022年」の全体的な方向性」として、2022年の各種コモディティ価格の動向を考える上でモデルになり得る2021年が、どういう年だったかについて、筆者の考え方を述べました。

今回は、「2022年の金(ゴールド)の予想レンジ」として、前回述べた、2021年がどんな年であったのかをもとにした、2022年の金相場の予想レンジを述べます。

前回示した年平均ベースの騰落状況によれば、ここまでの2021年の金の上昇率(2020年比)は+1.2%、銀は22.1%と、ともに上昇しています。

前回述べた、2022年に起き得る事象が、2021年を踏襲するのであれば、そうした事象からの圧力に影響を受ける価格動向も2021年を踏襲し、全体的な年平均ベースの上昇が、2022年も発生する可能性があります。

このため、「年平均ベースで価格上昇」、という方向性に従い、2022年の予想レンジを考えます。

下図の右に記した通り、(1)年平均価格の方向性は上昇、(2)上昇率を元年(2020年)→2年目(2021年)の半分、(3)年平均価格を基準とした変動率を1.3倍程度にして、3年目(2022年)の、予想レンジを作りました。

世界の金(ゴールド)価格の指標の一つである、NYの金先物価格について、当該方法に基づいて、2022年の予想レンジを作成すると、上限は2,024ドル、下限は1,646ドルとなりました。

本原稿執筆時点(12月20日午前)では、1,789ドル近辺です。年平均を基準にした変動率は、2年目(2021年)の1.3倍で計算しています。

次回以降、NY銀先物の予想レンジについて、書きます。

図:2022年の予想レンジの立て方


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。