原油(WTI先物)反発。主要株価指数の反発などで。56.34ドル/バレル近辺で推移。 金反発。米10年債利回りの低下などで。1,512.25ドル/トロイオンス近辺で推移。 上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年01月限は11,565元/トン付近で推移。 上海原油(上海国際能源取引中心)反発。19年10月限は427.0元/トン付近で推移。 金・プラチナの価格差、ドル建てで656.6ドル(前日比1.8ドル拡大)、円建てで2,198円(前日比20円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。 東京市場は以下のとおり。(8月20日 18時7分頃 先限) 金 5,127円/g 白金 2,929円/g 原油 36,580円/kl ゴム 170円/kg とうもろこし 22,790円/t ●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル) 出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より ●本日のグラフ「そろわないOPECの足並み 減産の問題点」 前回は「OPEC全体の原油生産量、昨年12月比およそ200万バレル減少」として、先週金曜日にOPECが公表したデータから、OPEC14カ国全体の原油生産量の動向について書きました。 今回は「そろわないOPECの足並み 減産の問題点」として、ルールが変わってスタートした現行の減産の初月となった2019年1月と、先週公表された7月のOPECの原油生産量を比較します。 比較する上で、どのカテゴリーが最も生産減少に貢献しているのかを確認します。 カテゴリーは、サウジ、サウジ以外の減産実施国(10カ国)、そして減産免除国(3カ国)、の3つです。 以下の表のとおり、各カテゴリーにおける、7月と1月の生産量の増減は、サウジが48万バレル減少、サウジ以外の減産実施国(10カ国)が3万バレル増加、減産免除国(3カ国)が73万バレルの減少となりました。 全体では、およそ120万バレルの減少でした。 減産免除国(3カ国)が生産減少に最も貢献していることがわかります。しかし、減産免除国がいくら生産量が減少しても、減産順守率は上昇しません。 減産順守率の計算根拠に、減産免除国の生産量が含まれていないためです。 減産実施国ではサウジが孤軍奮闘をしています。しかし、サウジ以外の10カ国は減少ではなく、増加しています。 一見、OPEC全体の原油生産量が減少し、減産が上手くいっているように見えますが、減少の半分以上が、減産順守に無関係の減産免除国の減少(制裁などによる自国都合の自然減)であり、肝心な減産実施国は、サウジを除けば増加、という状況です。 このデータは、OPECの減産実施国内で、減産実施に向けた温度感、つまり足並みが、不揃いであることがわかります。 OPEC全体の原油生産量が減少しているからといって、必ずしも減産が上手くいっていることにはならないことに注意が必要です。 図:OPECの原油生産量の増減幅(1月→7月) 出所:OPECのデータをもとに筆者作成