[Vol.1143] 2022年の銀(シルバー)の予想レンジ

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。72.50ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,807.95ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年05月限は14,515元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年02月限は472.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで846.35ドル(前日比7.85ドル拡大)、円建てで3,055円(前日比14円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月23日 18時23分頃 6番限)
6,627円/g 白金 3,572円/g
ゴム 233.2円/kg とうもろこし 39,750円/t

●NY銀先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「2022年の銀(シルバー)の予想レンジ」

前回は、「2022年の金(ゴールド)の予想レンジ」として、前々回述べた、2021年がどんな年であったのかをもとにした、2022年の金相場の予想レンジを述べました。

今回は、「2022年の銀(シルバー)の予想レンジ」として、金と同じ考え方をもとに、2022年の銀相場の予想レンジを述べます。

前々回、2022年に起き得る事象が、2021年を踏襲するのであれば、そうした事象からの圧力に影響を受ける価格動向も2021年を踏襲し、2022年も、全体的な年平均ベースの上昇が発生する可能性があると、述べました。

このため、「年平均ベースで価格上昇」という方向性に従い、2022年の予想レンジを考えます。

前回示した通り、(1)年平均価格の方向性は上昇、(2)上昇率を元年(2020年)→2年目(2021年)の半分、(3)年平均価格を基準とした変動率を1.3倍程度にして、3年目(2022年)の、予想レンジを作りました。

以下は、世界の銀価格の指標の一つである、NYの銀先物価格です。2022年の予想レンジの上限は37ドル、下限21ドルです。原稿執筆時点(12月23日午後)では、22.8ドル近辺です。

銀相場は、金(ゴールド)に比べて変動率が高い傾向があるため、年平均を基準にした変動率は、2年目(2021年)の1.6倍で計算しています。

次回以降、2022年に、金(ゴールド)と銀(シルバー)相場に影響を与え得る、個別の材料について、述べます。

図:NY銀先物価格(中心限月) 単位:ドル/トロイオンス


出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。