米原油生産量、48州でついに日量1200万バレル超

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反発。イランが、制裁の行方によってはホルムズ海峡の安全が保障されなくなる趣旨の発言をしたことなどで。55.87ドル/バレル近辺で推移。

金反落。主要株価指数の反発などで。1,508.45ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年01月限は11,435元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。19年10月限は425.7元/トン付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで654.25ドル(前日比3.35ドル縮小)、円建てで2,192円(前日比13円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(8月22日 17時29分頃 先限)
 5,116円/g 白金 2,924円/g 原油 37,120円/kl
ゴム 167.7円/kg とうもろこし 22,580円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「米原油生産量、48州でついに日量1200万バレル超」

前回は「実はさほど減少していない?サウジの原油生産量の動向」として、サウジの原油生産量が減少しているように見えて、協調減産開始直後(2017年1月)に比べればさほど減っていないことについて書きました。

今回は、昨晩、米エネルギー省(EIA)が公表した週間石油統計から米国の原油生産量に注目します。

EIAは、週間石油統計で週次ベース、月次の短期見通しで前月までの月次ベース、マンスリーレポートで前々月までの月次ベースの米国の原油生産量を公表しています。

全体的には、週間石油統計が速報値、マンスリーレポートが確報値のような意味を持つと筆者は考えています。

昨晩の週間石油統計で、48州ベース(米国全体からアラスカを除いたもの。ハワイは統計上、原油生産量のデータなし)の原油生産量が、統計史上はじめて、日量1200万バレルに達したことが明らかになりました。(2019年8月16日時点で日量1200万バレルちょうど。データの公表は8月21日)

以下は、週間石油統計のデータをもとにした米国の原油生産量のグラフで、48州とアラスカ州の記載が始まった、2003年9月12日以降の推移を示したものです。

2007年1月からは、EIAの別の統計に記載されている米国全体の原油生産量とシェール主要地区の原油生産量から試算した“シェール比率”を用い、48州をシェール主要地区とシェール主要地区以外に分けて記載しています。

日量1200万バレルのうち、シェール主要地区の原油生産量は、筆者の推計で日量856万バレルです。

シェールが増えれば、48州が増え、48州が増えれば米国全体の原油生産量が増える、という構図になっています。

引き続き、米シェール主要地区、48州、アラスカの各カテゴリの原油生産量の動向に注目したいと思います。

図:米国の原油生産量(カテゴリ別) 単位:百万バレル/日量


出所:米エネルギー省(EIA)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。