[Vol.1172] ウクライナ情勢の悪化はインフレ要因

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。91.09ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。1,812.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年05月限は14,470元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年03月限は566.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで797.05ドル(前日比13.45ドル拡大)、円建てで2,957円(前日比12円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(2月7日 18時02分頃 6番限)
6,699円/g 白金 3,742円/g
ゴム 247.6円/kg とうもろこし 41,450円/t

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「ウクライナ情勢の悪化はインフレ要因」

前回は、「農産物価格はウクライナ起因の直接要因で上昇」として、足元の農産物価格の上昇とウクライナ情勢悪化の関係について、筆者の考えを述べました。

今回は、「ウクライナ情勢の悪化はインフレ要因」として、ウクライナ情勢悪化による影響の全体像を確認します。

ウクライナ情勢の悪化は、直接であるにせよ、間接であるにせよ、エネルギーや農産物の価格を、幅広く押し上げる要因と言えます。つまり、同情勢の悪化は、目下進行中の世界的なインフレを加速させているわけです。

同情勢の悪化による、間接的なエネルギー価格の上昇については「[Vol.1170] エネルギー価格はウクライナ起因の間接要因で上昇」、直接的な農産物価格の上昇については「[Vol.1171] 農産物価格はウクライナ起因の直接要因で上昇」で、詳細を述べています。

これ以上、同情勢が悪化しないことが望まれますが、プーチン露大統領がかたくなな姿勢を貫いているとの報道があり、予断を許しません。

とはいえ、状況が変化すれば、間接要因のみ、あるいは直接要因のみ、どちらか片方の緊張が和らぐ可能性もあるため、いかなる場面でも、情勢を冷静に見守ることが肝要と言えます。

図:ウクライナ情勢の悪化が与える間接・直接の影響


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。