[Vol.1174] 米大手金融機関は原油100ドルを予想

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。89.25ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,828.20ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年05月限は14,655元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。22年04月限は548.8元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで795.65ドル(前日比4.05ドル拡大)、円建てで2,994円(前日比変わらず)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(2月9日 17時00分頃 6番限)
6,769円/g 白金 3,775円/g
ゴム 249.5円/kg とうもろこし(まだ出来ず)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「米大手金融機関は原油100ドルを予想」

前回は、「原油相場急上昇」として、足元の原油相場の水準を確認しました。

今回は、「米大手金融機関は原油100ドルを予想」として、米大手金融機関が公表している原油相場の見通しについて書きます。

以下は、2022年1月27日に米主要メディア「ウォールストリートジャーナル(以下、WSJ)」に掲載された「What's Behind Wall Street's $100 Oil Forecast?」の要旨を記したものです。

複数の米大手金融機関がこぞって、原油相場(WTI原油先物相場)が、100ドル近辺に達するとの見方を示していることを、報じています。到達する時期は、今年の夏から秋にかけてです。

モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスは、従来の見通しを引き上げて、97.50ドル、あるいは大台(100ドル)を少し下回る水準とした、とのことです。

「米大手金融機関」「100ドル」「原油相場3桁」「見通し引き上げ」…こうした彼らの見通しについて、どう解釈できるのか、いくつかのメディアの方から、筆者にも取材がありました。

「原油100ドル説」の主な根拠は次の3つです。1.コロナ禍でも消費が増えていること、2.先進国の石油在庫が減少していること、3.OPEC(石油輸出国機構)プラスが予定以上の増産をするか疑わしいこと、です。

次回以降、これらの3つについて、順に述べます。

図:米大手金融機関の原油相場(WTI)の見立てと根拠(WSJ掲載)


出所:WSJの情報をもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。