およそ2年8カ月間、減産を続けている国々の状況

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反発。主要株価指数の反発などで。54.81ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドルインデックスの反発などで。1,537.45ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年01月限は11,500元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。19年10月限は422.1元/トン付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで671.55ドル(前日比10.75ドル縮小)、円建てで2,240円(前日比43円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(8月26日 18時50分頃 先限)
 5,189円/g 白金 2,949円/g 原油 36,420円/kl
ゴム 162.7円/kg とうもろこし 22,370円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「およそ2年8カ月間、減産を続けている国々の状況」

前回は「減産しない、サウジを除く減産実施OPEC10カ国」として、OPECに目を向けました。

今回は「およそ2年8カ月間、減産を続けている国々の状況」として、2017年1月の協調減産開始以来、継続して減産を実施しているOPEC加盟国8カ国に注目します。

OPECは現在14カ国ありますが、協調減産が始まった当初は13カ国でした。

協調減産が始まってから加盟国数に増減があり、現在に至っています。

増減の具体例は、コンゴ共和国と赤道ギニアの加盟(+2カ国)とカタールの脱退(-1カ国)です。

今回注目する8カ国は、加盟や脱退などなく、かつ、減産免除国になったことがない、2017年1月以降、現在まで、2年8カ月以上にわたり、減産を実施している8カ国です。

具体的な国名は、アルジェリア、アンゴラ、エクアドル、ガボン、イラク、クウェート、サウジ、UAEです。

減産期間中、これらの国は絶えず生産量に上限が課せられており、その上限を超えて生産をすれば、減産非順守となります。

以下のグラフは、サウジとその他7カ国の生産量と上限を示したものです。

8カ国いずれも、継続して減産を実施している国であるため、生産量の上限が明確です。

このため、過去にさかのぼり、減産の順守状況を確認することができます。

サウジは昨年後半の駆け込み増産を除けば、ほとん減産を順守していることがわかります。

一方で、7カ国は、昨年前半を除き、ほとんど上限を上回った生産を行っている(減産を順守していない)ことがわかります。

減産を順守するサウジと順守しないその他の減産実施国、という構図がこのデータからも見て取れます。

サウジはいつまで孤軍奮闘を続けることができるのか、注視したいと思います。

図:2017年1月の協調減産開始後、継続して減産に参加しているOPEC内8カ国の原油生産量
単位:千バレル/日量
2017年1月の協調減産開始後、継続して減産に参加しているOPEC内8カ国の原油生産量

出所:OPECのデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。