原油反発。米主要株価指数の反発などで。109.91ドル/バレル近辺で推移。
金反発。米10年債利回りの反落などで。1,879.22ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年09月限は12,765元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。22年06月限は657.4元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで927.27ドル(前日比24.97ドル拡大)、円建てで3,868円(前日比23円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(5月10日 18時02分頃 6番限)
金 7,771円/g
白金 3,903円/g
ゴム 249.4円/kg
とうもろこし 57,150円/t
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 7日午前8時59分時点)
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
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出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「「資本主義への攻撃」ロシア100年越しの大願!?」
前回は、「「パラドックス」とは?」として、ウクライナ情勢のきっかけを探るヒントにもなり得る「パラドックス」について述べました。
今回は、「「資本主義への攻撃」ロシア100年越しの大願!?」として、ロシアのウクライナ侵攻が「資本主義への攻撃」である可能性について、考えます。
西側でなぜパラドックスが生じているのでしょうか? 筆者は「欲望の扉を開いたため」だと、考えています。西側が是とする資本主義において「自由な競争は社会善」です。では、「自由」や「競争」の原動力は何でしょうか? 「欲望」です。
「欲望」は無限に膨張します。縮むことはありません。なぜでしょうか? それを抱くのが人間だからです。「自由」と「競争」が不平等や格差を生んでも、「団結」に向けた動きが分断を生んでも、西側は、膨張する欲望によって形成されたパラドックスを引きずりながら、前進しているのです。
では西側はいつ、欲望の扉を開いたのでしょうか? 18世紀の産業革命でしょう。それ以降、情報革命など革命は何度も起き、その度に西側の欲望膨張に拍車がかかりました。革命以外では、1970年代の兌換(だかん)停止が大きな意味を持ちました。膨張し続ける欲望に見合うだけの貨幣を、人為的に供給し続けることができるようになったためです。
東西関係なく、人間は誰しも心に「欲望」を飼っています。ただし、その扉が開いているかどうかは、きわめて大きな差です。「欲望」は、物事を俯瞰(ふかん)したり、地に足を着けて物事を進めたりすることを邪魔します。もしその扉を開けていないのであれば、こうした邪魔は生じないでしょう。当然、パラドックス(自己矛盾)も生じにくくなります。
厳しい統制(反自由・反競争)を是とし、取り立てて豊かとはいえないロシアはある意味、欲望の扉を開けておらず、西側にはない強みを持っていると言えるでしょう。
そのロシアは、西側がパラドックスに悩まされ、行動・思考が鈍くなっているタイミングを見計らい、インフレを加速させたり、西側にとっての弱点であるパラドックスを拡大させたりする意図を持ち、ウクライナに侵攻した可能性があると筆者は考えています。そうすることで、西側に効率的にダメージを与えることができるためです。
実際、ロシアは今、直接的に欧州主要国や米国を攻撃はしていませんが、インフレや不安を振りまき、西側の政治や経済を強く揺さぶっています。これを攻撃と言わず何というのでしょうか。
およそ100年前、実は上記に似たシナリオが、ロシア革命の指導者によって描かれていました。「資本主義を破壊する最善の方法は、通貨を堕落させること」は、レーニンが語った言葉といわれています。「通貨の堕落」は、相対的な物価高、つまりインフレです。インフレを発生させることができれば、資本主義を崩壊させることができる、という考え方です。
資本主義を旨とする西側は、欲望の扉を開けてしまい、いくつもの巨大なパラドックス(自己矛盾)を解消できなくなっています。そこに付け込むロシアは、非常に狡猾(こうかつ)です。もしロシアが今回のウクライナ侵攻を、「資本主義への攻撃」という壮大なテーマの下で行っているのであれば、終戦までの道のりは長く困難なものになる可能性があります。
図:ロシアによる「資本主義への攻撃」(イメージ)
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出所:筆者作成
金反発。米10年債利回りの反落などで。1,879.22ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年09月限は12,765元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。22年06月限は657.4元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで927.27ドル(前日比24.97ドル拡大)、円建てで3,868円(前日比23円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(5月10日 18時02分頃 6番限)
金 7,771円/g
白金 3,903円/g
ゴム 249.4円/kg
とうもろこし 57,150円/t
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 7日午前8時59分時点)
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
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出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「「資本主義への攻撃」ロシア100年越しの大願!?」
前回は、「「パラドックス」とは?」として、ウクライナ情勢のきっかけを探るヒントにもなり得る「パラドックス」について述べました。
今回は、「「資本主義への攻撃」ロシア100年越しの大願!?」として、ロシアのウクライナ侵攻が「資本主義への攻撃」である可能性について、考えます。
西側でなぜパラドックスが生じているのでしょうか? 筆者は「欲望の扉を開いたため」だと、考えています。西側が是とする資本主義において「自由な競争は社会善」です。では、「自由」や「競争」の原動力は何でしょうか? 「欲望」です。
「欲望」は無限に膨張します。縮むことはありません。なぜでしょうか? それを抱くのが人間だからです。「自由」と「競争」が不平等や格差を生んでも、「団結」に向けた動きが分断を生んでも、西側は、膨張する欲望によって形成されたパラドックスを引きずりながら、前進しているのです。
では西側はいつ、欲望の扉を開いたのでしょうか? 18世紀の産業革命でしょう。それ以降、情報革命など革命は何度も起き、その度に西側の欲望膨張に拍車がかかりました。革命以外では、1970年代の兌換(だかん)停止が大きな意味を持ちました。膨張し続ける欲望に見合うだけの貨幣を、人為的に供給し続けることができるようになったためです。
東西関係なく、人間は誰しも心に「欲望」を飼っています。ただし、その扉が開いているかどうかは、きわめて大きな差です。「欲望」は、物事を俯瞰(ふかん)したり、地に足を着けて物事を進めたりすることを邪魔します。もしその扉を開けていないのであれば、こうした邪魔は生じないでしょう。当然、パラドックス(自己矛盾)も生じにくくなります。
厳しい統制(反自由・反競争)を是とし、取り立てて豊かとはいえないロシアはある意味、欲望の扉を開けておらず、西側にはない強みを持っていると言えるでしょう。
そのロシアは、西側がパラドックスに悩まされ、行動・思考が鈍くなっているタイミングを見計らい、インフレを加速させたり、西側にとっての弱点であるパラドックスを拡大させたりする意図を持ち、ウクライナに侵攻した可能性があると筆者は考えています。そうすることで、西側に効率的にダメージを与えることができるためです。
実際、ロシアは今、直接的に欧州主要国や米国を攻撃はしていませんが、インフレや不安を振りまき、西側の政治や経済を強く揺さぶっています。これを攻撃と言わず何というのでしょうか。
およそ100年前、実は上記に似たシナリオが、ロシア革命の指導者によって描かれていました。「資本主義を破壊する最善の方法は、通貨を堕落させること」は、レーニンが語った言葉といわれています。「通貨の堕落」は、相対的な物価高、つまりインフレです。インフレを発生させることができれば、資本主義を崩壊させることができる、という考え方です。
資本主義を旨とする西側は、欲望の扉を開けてしまい、いくつもの巨大なパラドックス(自己矛盾)を解消できなくなっています。そこに付け込むロシアは、非常に狡猾(こうかつ)です。もしロシアが今回のウクライナ侵攻を、「資本主義への攻撃」という壮大なテーマの下で行っているのであれば、終戦までの道のりは長く困難なものになる可能性があります。
図:ロシアによる「資本主義への攻撃」(イメージ)
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出所:筆者作成