原油反落。米主要株価指数の反落などで。105.44ドル/バレル近辺で推移。
金反発。米10年債利回りの反落などで。1,824.00ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年09月限は13,070元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。22年07月限は694.4元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで908.45ドル(前日比16.95ドル拡大)、円建てで3,740円(前日比17円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(5月19日 18時22分頃 6番限)
金 7,475円/g
白金 3,735円/g
ゴム 244.2円/kg
とうもろこし 57,140円/t
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 4月7日午前8時59分時点)
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「OPEC+はさらに生産量減少」
前回は、「先に信頼を棄損したのは西側」として、原油相場の今後を考える上で重要な、産油国と消費国の間に発生している「分断」について、書きました。
今回は、「OPEC+はさらに生産量減少」として、原油相場の今後を考える上で重要な、足元のOPECプラスの動向について、書きます。
現在、OPEC+(プラス)は23カ国で構成されています(世界全体の50%強の原油を生産)。サウジ、イラク、UAEなどOPEC側13カ国とロシア、カザフスタン、マレーシアなど非加盟国10カ国です。そのうち、OPEC側のリビア、ベネズエラ、イランを除く20カ国は、現在、政策的に生産量をできるだけ増加させない期間(減産期間)にあります。
以下のグラフの通り、2022年4月、ロシアの原油生産量は急減しました。西側の制裁による不買のほか、欧米のメジャー撤退による生産力低下、資源の囲い込みなどが、要因とみられます。同国の生産急減は、OPECプラス、ひいては世界全体の原油生産量を大きく減少させる要因になり得ます。(ロシアは米国に次ぐ、世界No2の原油生産国)
それ以外にも、今、OPECプラス内で大きな変化が起きています。2020年11月の定時総会を最後に、1960年のOPEC発足以来、およそ180回行われてきたOPEC総会(年2回の定時総会と臨時総会)が、行われていません。
2016年末のOPEC総会での決定を受け、2017年1月からOPECと一部の非加盟国は協調減産をはじめました。この体制は後に「OPECプラス」や「拡大OPEC」などと呼ばれるようになりました。そして現在も、この協調減産は続いています。(減産が中断したのは2020年4月のみ)
協調減産開始以降、2020年11月まで、彼らの方針は、OPEC総会で決定し、翌日の合同閣僚会議でロシアをはじめとした非加盟国がそれを追認していました。つまり、方針の決定権はOPEC、さらに言えば、OPEC側のリーダー格であるサウジが握っていたわけです。
しかし今は、OPEC総会は行われず、OPECと非OPECの合同閣僚会議のみが行われています。毎月行われているこの会議では、翌月の原油生産量の上限を決めています。(昨年夏以降、毎月日量およそ40万バレルずつ生産量の上限を引き上げている)
会議形態の変更は、OPECプラスが、ロシア抜きで物事を決定できなくなっていることを示唆していると、筆者はみています。事実上、現在のOPECプラスは、ロシアに牛耳られて、メンバーらは、ロシアの意に反する行動をしにくくなっている可能性があります。
インフレで西側に経済的なダメージを与えたり、資源国に恩恵をもたらしたりすることを目指しているとみられるロシアの意には、原油価格を高止まりさせること、つまり大きな増産をしないことが含まれます。
統計上、増産余力を有するサウジやクウェート、UAEなどが、目立った増産をしていないのは、もともと減産期間中である点に加え、ロシアが牛耳る組織に属していることが大きいと、考えられます。
ロシアの意向に準じ、大きな増産をしないことで、原油価格は高止まりし、サウジもクウェートもUAEも恩恵を受けています。また、彼らにとって、大きな増産をしないことは、「脱炭素への反発」という意味もあるのかもしれません。
図:OPECプラス(減産参加20カ国)の原油生産量 単位:百万バレル/日量
出所:OPECの資料およびブルームバーグのデータをもとに筆者作成
金反発。米10年債利回りの反落などで。1,824.00ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年09月限は13,070元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。22年07月限は694.4元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで908.45ドル(前日比16.95ドル拡大)、円建てで3,740円(前日比17円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(5月19日 18時22分頃 6番限)
金 7,475円/g
白金 3,735円/g
ゴム 244.2円/kg
とうもろこし 57,140円/t
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 4月7日午前8時59分時点)
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「OPEC+はさらに生産量減少」
前回は、「先に信頼を棄損したのは西側」として、原油相場の今後を考える上で重要な、産油国と消費国の間に発生している「分断」について、書きました。
今回は、「OPEC+はさらに生産量減少」として、原油相場の今後を考える上で重要な、足元のOPECプラスの動向について、書きます。
現在、OPEC+(プラス)は23カ国で構成されています(世界全体の50%強の原油を生産)。サウジ、イラク、UAEなどOPEC側13カ国とロシア、カザフスタン、マレーシアなど非加盟国10カ国です。そのうち、OPEC側のリビア、ベネズエラ、イランを除く20カ国は、現在、政策的に生産量をできるだけ増加させない期間(減産期間)にあります。
以下のグラフの通り、2022年4月、ロシアの原油生産量は急減しました。西側の制裁による不買のほか、欧米のメジャー撤退による生産力低下、資源の囲い込みなどが、要因とみられます。同国の生産急減は、OPECプラス、ひいては世界全体の原油生産量を大きく減少させる要因になり得ます。(ロシアは米国に次ぐ、世界No2の原油生産国)
それ以外にも、今、OPECプラス内で大きな変化が起きています。2020年11月の定時総会を最後に、1960年のOPEC発足以来、およそ180回行われてきたOPEC総会(年2回の定時総会と臨時総会)が、行われていません。
2016年末のOPEC総会での決定を受け、2017年1月からOPECと一部の非加盟国は協調減産をはじめました。この体制は後に「OPECプラス」や「拡大OPEC」などと呼ばれるようになりました。そして現在も、この協調減産は続いています。(減産が中断したのは2020年4月のみ)
協調減産開始以降、2020年11月まで、彼らの方針は、OPEC総会で決定し、翌日の合同閣僚会議でロシアをはじめとした非加盟国がそれを追認していました。つまり、方針の決定権はOPEC、さらに言えば、OPEC側のリーダー格であるサウジが握っていたわけです。
しかし今は、OPEC総会は行われず、OPECと非OPECの合同閣僚会議のみが行われています。毎月行われているこの会議では、翌月の原油生産量の上限を決めています。(昨年夏以降、毎月日量およそ40万バレルずつ生産量の上限を引き上げている)
会議形態の変更は、OPECプラスが、ロシア抜きで物事を決定できなくなっていることを示唆していると、筆者はみています。事実上、現在のOPECプラスは、ロシアに牛耳られて、メンバーらは、ロシアの意に反する行動をしにくくなっている可能性があります。
インフレで西側に経済的なダメージを与えたり、資源国に恩恵をもたらしたりすることを目指しているとみられるロシアの意には、原油価格を高止まりさせること、つまり大きな増産をしないことが含まれます。
統計上、増産余力を有するサウジやクウェート、UAEなどが、目立った増産をしていないのは、もともと減産期間中である点に加え、ロシアが牛耳る組織に属していることが大きいと、考えられます。
ロシアの意向に準じ、大きな増産をしないことで、原油価格は高止まりし、サウジもクウェートもUAEも恩恵を受けています。また、彼らにとって、大きな増産をしないことは、「脱炭素への反発」という意味もあるのかもしれません。
図:OPECプラス(減産参加20カ国)の原油生産量 単位:百万バレル/日量
出所:OPECの資料およびブルームバーグのデータをもとに筆者作成