[Vol.1248] 「プラチナ積立」も超長期視点で価格反発を享受

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。112.80ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,854.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年09月限は13,380元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。22年07月限は714.5元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで851.3ドル(前日比1ドル縮小)、円建てで3,643円(前日比6円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(6月2日 16時34分頃 6番限)
7,706円/g
白金 4,063円/g
ゴム (まだ出来ず)
とうもろこし 52,240円/t
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 4月7日午前8時59分時点)

●NYプラチナ先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「「プラチナ積立」も超長期視点で価格反発を享受」

前回は、「「純金積立」は超長期視点で価格反発を享受」として、前回述べた積立投資を効率化させる必須条件が金(ゴールド)に当てはまるかを確認しました。

今回は、「「プラチナ積立」も超長期視点で価格反発を享受」として、前々回述べた積立投資を効率化させる必須条件がプラチナに当てはまるかを確認します。

プラチナ相場は2015年のフォルクスワーゲン問題発覚以降、長期低迷状態にあります。同社が違法な装置を使って不正に排ガス浄化テストを潜り抜けていた問題が発覚して以降、ディーゼル車の排ガス浄化装置向けに使われるプラチナの需要が急減する観測が浮上し、上値が重い状態が続いています(リーマンショック後の安値水準(1,000ドル前後)は維持)。

幸か不幸か(これからプラチナ積立を始める人にとっては「幸」だと筆者は考えます)、価格が低迷しているということは、積立投資効率化の必須条件「(1)価格下落・低迷を利用して保有数量を増やすこと」を満たすことに貢献し得ます。

さらに足元、値位置はゼロ円に程近いため、保有数量をより効率的に増やしやすい状態にあります。

また、以下の通り、超長期的視点で、プラチナが「水素社会」に貢献し得る需要な存在であることは、積立投資効率化の必須条件「(2)取引終了直前に価格が一定程度反発すること」を満たすことに貢献し得ます。

上記より、これからのプラチナは、積立投資になじむ可能性が高いと言えそうです。

図:プラチナの「新しい常識」


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。