[Vol.1247] 「純金積立」は超長期視点で価格反発を享受

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。116.46ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。1,831.70ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年09月限は13,320元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。22年07月限は734.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで866.75ドル(前日比13.35ドル縮小)、円建てで3,654円(前日比7円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(6月1日 17時58分頃 6番限)
7,592円/g
白金 3,938円/g
ゴム 254.9円/kg
とうもろこし 52,550円/t
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 4月7日午前8時59分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「積立投資を効率化させる条件」

前回は、「積立投資を効率化させる条件」として、前回のクイズの解答を示した上で、積立投資を効率化させるための必須条件を述べました。

今回は、「「純金積立」は超長期視点で価格反発を享受」として、前回述べた積立投資を効率化させる必須条件が金(ゴールド)に当てはまるかを確認します。

前回、(1)価格下落・低迷を利用して保有数量を増やすこと、(2)取引終了前に価格が一定程度反発すること、の二つが、積立投資を効率化させる必須条件だと述べました。では、これらの必須条件を、金(ゴールド)は満たすことができるのでしょうか。

以下は、7つのテーマがもたらす金(ゴールド)市場への影響を、図示したものです。短中期的に「有事ムード」「代替資産」「代替通貨」が、中長期的に「中央銀行」「中国・インドの宝飾需要」「鉱山会社」が、超長期的には「見えないリスク」が、金(ゴールド)市場に影響を与えていると、考えられます。

超長期以外の6つは、絶えず、金(ゴールド)相場を上げたり下げたりしているわけですが、超長期的には、西側のパラドックスとハイブリッド戦起因の「見えないリスク」が、金(ゴールド)相場の底値を切り上げる可能性があります。超長期的な価格上昇は、積立投資効率化の必須条件「(2)取引終了前に価格が一定程度反発すること」を満たすことに貢献し得ます。

また、先述のとおり超長期以外の6つのテーマが価格を上げたり下げたりすることは必須条件「(1)価格下落を利用して保有数量を増やすこと」を満たすことに貢献し得ます。

上記より、これからの金(ゴールド)は、積立投資になじむ可能性が高いと言えそうです。

図:金(ゴールド)市場のテーマ(筆者イメージ)


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。