[Vol.1260] 投資リテラシー:3つの軸で自分の位置を確認

著者:吉田 哲
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原油反落。主要国の増産観測などで。106.92ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,841.55ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年09月限は4,412元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。22年08月限は692.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで905.55ドル(前日比4.85ドル縮小)、円建てで3,952円(前日比26円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(6月20日 17時15分頃 6番限)
7,936円/g
白金 3,984円/g
ゴム 255.5円/kg
とうもろこし(まだ出来ず)
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 4月7日午前8時59分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「投資リテラシー:3つの軸で自分の位置を確認」

前回は、「「明るい金(ゴールド)の話」は可能(1)」として、前回までの5回で述べた、「不安」抜きで金(ゴールド)市場を分析するために必要な「多角的な視点」を、まとめました。

今回は、「投資リテラシー:3つの軸で自分の位置を確認」として、投資リテラシーと金(ゴールド)の関係について、筆者の考えを述べます。

前回、金(ゴールド)は、人にとって「魔性(ましょう)の性質」(魔物が持つような人を惑わす性質)を持つ存在で、「不安」とセットで語られがちだが、「求められる人物像」に近づこうとすればするほど、「不安抜き」で語ることが可能だと、書きました。

「求められる人物像」とは、現代社会においては「変化に順応でき、強じんな心と高いコミュニケーション力を有する人」のことで、過去の常識・成功を捨て、市場環境が激変したことを認識し、「充足」(不安の対比)も行動のきっかけにできる人物のことです。

上記の話に行き着くために、金(ゴールド)を、4つの側面(あえて「不安」を除外)から観察することにし、前々回までの3回で、「時代」「市場」「人」から観察しました。今回は「投資リテラシー」の側面より、金(ゴールド)を観察します。

「リテラシー」は、識字力(文字を読み書きする能力)が転じ、「ある分野について、どれだけ知識・経験があり、なじみがあるか」を指す言葉です。ここでは対象が投資ですので、投資家としてどれだけ投資になじみがあるかを指します。

なじみの度合いにより、便宜的に「初級」「中級」「上級」に分けた上で、リスク許容度、ポジションの保有期間、取引頻度の3つの軸で切ったとき、それらの関係は以下のようになります(例外あり。あくまで傾向ととらえる)。

級が上がれば上がるほど、大きなリスクを取りつつ、短期売買ができるようになる傾向があります。「なじみ」の度合いが高くなると、できることが増えるわけです。これは、多くの投資家が歩む道といっても過言ではありません。

実は、金(ゴールド)関連の投資商品は、幅広い級をカバーしています。初級の方向けの金(ゴールド)の商品はもちろん、中級者向け、上級者向けもあります。ご自身がどの級のあたりに位置するかをイメージすることで、選択する投資商品が絞られてくるでしょう。

図:「投資リテラシー」3つの軸(例外あり)


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。