[Vol.1270] 悪手(あくしゅ)は、失敗・失策のこと

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。108.95ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。1,811.50ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年09月限は13,095元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年08月限は717.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで938.85ドル(前日比15.6ドル拡大)、円建てで4,057円(前日比89円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(7月4日 15時09分頃 6番限)
7,853円/g
白金 3,796円/g
ゴム 258.7円/kg
とうもろこし 47,350円/t
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 4月7日午前8時59分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「悪手(あくしゅ)は、失敗・失策のこと」

前回は、「危機は壮大なテーマで起きているとみるべき」として、今後のウクライナ危機の展開について、筆者の考えを述べました。

今回は、「悪手(あくしゅ)は、失敗・失策のこと」として、「インフレ投資」が叫ばれる昨今、筆者が考える、コモディティ投資を考える上でのヒントを述べます。

悪手(あくしゅ)とは、失敗や失策のことです。しばしば、将棋や囲碁の対局で、自らを窮地に追い込む、やってはけない手が指された時、「その手は悪手だ」などと、言われます。対義語は好手、妙手です。

コモディティ(商品)投資にも、筆者は悪手があると考えています(以下の3つ)。ここでは、利益を得られない取引が悪手、得られる取引が好手ではなく、「市場環境や銘柄の特性」と「取引の意図」が合致していない取引を悪手、合致している取引を好手とします。

・経済指標発表時に純金積立を開始する
・長期投資に「先物型」間接商品を用いる
・とりあえず「コモディティ」に投資する

取引を行う上で「悪手を指さない」ことは、「市場環境や銘柄の特性」と「取引意図」を合致させることと同義でしょう。「取引の意図」、つまり、ご自身がどのような取引を望むのか、という点をうっすらと思い浮かべることが重要です。

「インフレ投資」という言葉を見聞きしない日はない今だからこそ、関連金融商品をしっかりと見つめなければなりません。一歩ふみ込んで、コモディティ関連の金融商品を観察してみることで、現在のご自身に本当に合致した金融商品が見つかる可能性が高まります。

今回を含む全5回で、筆者が考える「やってはいけない」コモディティ投資について、述べます。

図:悪手(あくしゅ)とは?


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。