ボルトン氏解任効果で日量162万バレル生産増加!?

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反発。米原油在庫の減少などで。56.19ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,512.45ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年01月限は11,915元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。19年11月限は436.5元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで554.9ドル(前日比8.1ドル縮小)、円建てで1,898円(前日比7円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(9月12日 17時27分頃 先限)
 5,203円/g 白金 3,305円/g 原油 37,440円/kl
ゴム 169.2円/kg とうもろこし 23,230円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「ボルトン氏解任効果で日量162万バレル生産増加!?」

今回は、昨日OPECが公表した月報から、イランの原油生産量について書きます。

報じられているとおり、今週9月10日、ボルトン米大統領補佐官が解任されました。

同氏は“超タカ派”として知られ、イラン、ベネズエラ、北朝鮮、アフガニスタン、ロシアなど、さまざまな反米を掲げる(もしくはそれに準ずる)国家に対し、強硬な姿勢で対峙してきました。

昨年4月、トランプ政権における3人目の国家安全保障問題担当の大統領補佐官として就任した同氏は、その翌月に起きた米国のイラン核合意単独離脱を主導したと言われています。

現在、原油市場でささやかれているのは、ボルトン氏の解任により、米国のイラン制裁が緩和され、この1年4カ月間の制裁によって減少したイランの原油生産量が、元も戻るのではないか?ということです。

イランは現在の協調減産では減産免除国であるため、同国の原油生産量が元に戻る(現在よりも増加する)ことが、減産のルールに抵触したり、減産順守率を下げたりすることはありません。

しかし、イランの原油生産量が増加するとなると、OPEC全体の供給量が増加します。

具体的に、イランの原油生産は今よりもどれくらい増えることが想定されるのでしょうか?

以下のグラフは、イランの原油生産量の推移を示しています。

2018年5月の米国のイラン核合意単独離脱のタイミングから減少が始まりました。

2018年5月から2019年8月にかけて、日量およそ162万バレル減少しています。

米国の対イラン制裁が緩和されれば、この日量およそ162万バレルが徐々に市場に戻ってくる可能性があります。

今よりも162万バレルもの生産量(アンゴラ1国分以上)が増えれば、2019年8月のOPEC全体の原油生産量が7%、増加することになります。

今後、イランの原油生産量が本当に増えるかどうか、注意深く見守っていきたいと思います。

図:イランの原油生産量 単位:千バレル/日量
イランの原油生産量

出所:OPECのデータをもとに筆作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。