[Vol.1346] 世界No.1の産油国・産ガス国はどこ?

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。84.30ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,649.75ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。23年01月限は12,370元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年12月限は673.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで728.3ドル(前日比0.8ドル拡大)、円建てで3,629円(前日比9円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月25日 17時10分頃 6番限)
7,861円/g
白金 4,232円/g
ゴム 222.5円/kg
とうもろこし(まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY天然ガス先物(期近) 日足  単位:ドル/mmbtu
NY天然ガス先物(期近) 日足  単位:ドル/mmbtu

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「世界No.1の産油国・産ガス国はどこ?」

前回は、「『OPECプラス』、『GECF』って何?」として、世界規模の産油国・産ガス国のグループについて、書きました。

今回は、「世界No.1の産油国・産ガス国はどこ?」として、原油と天然ガスの生産国上位5カ国を確認します。

BPの統計によれば、原油、天然ガスともに、生産量No.1は米国です(2021年時点)。米国では、探索・採掘技術の向上、国内需要増加、政策的な支援などを背景に起きた「シェール革命」により、この10年で原油と天然ガスの生産量は1.5倍以上になりました。

2019年から2021年の3年間でみると、米国、ロシア、サウジアラビアの原油生産量は、いずれもやや減少しました。新型コロナウイルスの感染拡大により一時的に需要が減少したことが3カ国共通の要因ですが、ロシアとサウジについては、生産量に上限を設定する「減産」を強化したことも大きな要因です。

米国は、前回述べた「OPECプラス」にも「GECF」にも参加していません。米国がこれらのグループに参加していない理由に、(1)米国が原油の主要な輸入国・消費国であること、(2)米国が国営の石油・天然ガス会社を有していないこと、などが挙げられます。

「OPECプラス」も「GECF」も、「E(Exporting 輸出)」の文字のとおり、輸出がメインであることが求められます(輸出国ならではの課題を共有できる必要がある)。また、国単位での参加が求められるため、大小さまざまな個別の石油会社が活動している米国にはなじみにくいという事情があります。

図:原油と天然ガスの生産国上位5カ国(年間ベース 2021年まで)
図:原油と天然ガスの生産国上位5カ国(年間ベース 2021年まで)

出所:BPのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。