[Vol.1365] 近年、民主的な国は減少傾向に

著者:吉田 哲
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原油反発。サウジ増産を打ち消す報道などで。80.09ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,742.80ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。23年01月限は12,785元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年01月限は593.5元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで748.8ドル(前日比2.9ドル縮小)、円建てで3,530円(前日比2円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(11月22日 16時30分頃 6番限)
7,928円/g
白金 4,398円/g
ゴム 215.3円/kg
とうもろこし(まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「実は、世界は民主的ではない!?」
前回は、「実は、世界は民主的ではない!?」として、自由民主主義指数(2021年)について、述べました。

今回は、「近年、民主的な国は減少傾向に」として、前回触れた自由民主主義指数が0.4以下および0.6以上の国の数について、述べます。

近年、民主的な傾向が強い国(指数が0.6以上の国)の数は減少傾向にあります。逆に民主的でない国(同0.4以下の国)の数は増加傾向にあります。以下のグラフがそれらの推移です。

民主的な国の減少、民主的でない国の増加がはじまったのは、2016年ごろからでした。2016年というと、英国のEU(欧州連合)離脱を問う国民投票で離脱派が勝利したり、トランプ氏が米大統領選挙で勝利したりした年、他よりも個を重視するムードが高まった年です。

第二次世界大戦直後、民主的でない国は徐々に減少し、それと同時に民主的な国が増え始めました。戦後体制が整う中で、国際的な枠組みやルール整備が進み、社会が民主的であることが良いとされるムードが高まっていた時代です(民主的であることが平和を呼び込むきっかけでもあった)。

しかし、ベルリンの壁崩壊(1989年)、EU発足(1993年)などが実現した1990年あたりから、民主的な国は増加しなくなりました。民主的でない国の減少はまだ続いていたため、民主的であることが否定される時代に入ったわけではなかったものの、民主的であることが推奨されにくくなったことがうかがえます。

なぜ、民主的であることが推奨されにくくなったのでしょうか。その背景について、次回以降、述べます。

図:自由民主主義指数0.4以下および0.6以上の国の数(1945~2021年)
図:自由民主主義指数0.4以下および0.6以上の国の数(1945~2021年)

出所:V-Dem研究所のデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。