底を打った相場は、天井を付けるまで高い!!(金相場)

著者:菊川 弘之
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 大統領選挙年と同様、中間選挙年も各市場でアノマリー的な値動きパターンが観測される。NY株式市場(S&P500やNYダウ)の中間選挙年の11月~翌春にかけての上昇パターンは、よく知られるアノマリーだが、金市場においても、年末高パターンが中間選挙年では、より顕著になっている。

 12月以降のFOMCでも米利上げ継続が予想されるものの、米雇用統計がよほどのサプライスな内容とならない限り、NY金の下値、米長期金利の上値はそれぞれ限定的だろう。

 2015年末から始まった前回の米利上げ局面では、利上げを嫌気して金の上値は抑えられたものの、実際のFOMCでの利上げで知ったら終い・反発と言う流れを繰り返しながら、利上げの最終局面にでは、利上げしても金価格は下がらず、利下げに転じて以降は、金価格の上げは加速していった。今回も前回の米金利引き上げ局面~引き下げ局面への移行と同様な値動きパターンが意識されそうだ。

 金ETFの年初ピークからの資金流出(世界合計:約350トン、スパイダーゴールド約200トン)が金の下げ要因となっているが、WGC四半期報告によると、中銀による金購入量は1~9月の累計で673トンに達し、第三四半期の段階で、1967年以降の年間購入量を上回る規模となっている。中央銀行の買いは、短期で売買するものではなく、一旦、買った金は、かなりの長期間、市場に出回ることはない。金ETFや、CFTC建玉明細での大口投機玉の買いは、割合短い期間で売却されたり、決済されることで市場の売り圧力となるが、中央銀行の買いは、根雪のように価格を下支える性質がある。

 また、暗号資産(仮想通貨)交換業大手のFTXトレーディングの破綻も、「通貨の顔」や「安全資産」としての金の歴史の長さ・深さを改めて意識させた。

 金はゆっくりと、だが確実に下値を切り上げる展開が続きそうだ。

NY金先物(中心限月)と米利上げ

 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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