米国は原油生産量世界No1をひた走る

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反落。サウジの原油生産回復見通しなどで。56.74ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドルインデックスの反発などで。1,537.55ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年01月限は11,760元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。19年11月限は453.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで587.6ドル(前日比1.5ドル拡大)、円建てで1,993円(前日比12円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(9月25日 16時47分頃 先限)
 5,269円/g 白金 3,276円/g 原油 37,430円/kl
ゴム 166.0円/kg とうもろこし 23,900円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「米国は原油生産量世界No1をひた走る」

前回は、「サウジの原油在庫、数カ月以内に枯渇か!?」として、サウジドローン事件の影響で懸念されるサウジン原油在庫事情について、JODIのデータをもとに、筆者の意見を書きました。

今回は「米国は原油生産量世界No1をひた走る」として、統計史上最高を記録し続ける米国の原油生産量について書きます。

先週EIAより公表された月次統計によれば、2019年8月の、米シェール主要地区の原油生産量は米国の原油生産全体のおよそ70%となる日量868万バレルとなりました。

また、先々週同省が公表した短期見通し内で、同月の米国の原油生産量が日量1,243万バレルだったことが明らかになりました。同統計では、2020年12月に日量1,350万バレルに達する見通しが示されました。

米シェール主要地区の日量868万バレル、米国全体の日量1,243万バレルは、ともに統計史上最高です。

減産期間中のため生産量を拡大できないサウジは、ドローン事件で広く知られたように、生産量が半減して570万バレルになったとされています。

このことから、事件前のサウジは日量1,014万バレル程度の生産を行っていたとみられます。

単純計算で、事件前、米国はサウジの1.3倍以上の生産を行っていたことになります。

足元、米国の稼働リグ数が減少しており、いずれシェールの生産量が減少するのではないか?との見方もあります。

ただ、稼働リグ数はあくまでもシェールの開発段階の前工程である“掘削作業”の活況度を示すものであり、生産量に直接的に影響があるわけではありません。

リグは単に井戸を掘る機械であり、生産をする設備や施設ではありません。ボーリング(穴掘り)を行う機械です。

次回以降、米シェール主要地区における、稼働リグ数と開発関連指数の状況について書きます。

稼働リグ数が減少しても、米シェール主要地区の原油生産量の増加が続いている一因を知ることができます。

図:米国全体および米シェール主要地区の原油在庫 単位:百万バレル/日量


出所:EIA(米エネルギー省)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。