[Vol.1379] 主要テーマ三つ ウクライナ、FRB、中央銀行

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。74.33ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,794.75ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年05月限は12,985元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年02月限は527.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで783.05ドル(前日比1.25ドル縮小)、円建てで3,531円(前日比4円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月13日 18時03分頃 6番限)
7,882円/g
白金 4,351円/g
ゴム 230.2円/kg
とうもろこし 46,100円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「主要テーマ三つ ウクライナ、FRB、中央銀行」
前回は、「2023年の金(ゴールド)相場、最高値到達を予想」として、金(ドル建て)価格の推移について、述べました。

今回は、「主要テーマ三つ ウクライナ、FRB、中央銀行」として、金(ゴールド)相場を分析する上で必要な7つのテーマについて、述べます。

以下は筆者が考える現代の金(ゴールド)相場を分析するために必要な「7つのテーマ」です。そしてそれぞれのテーマが、2023年、金相場にどのように影響しそうかを、示しています。

短中期のテーマでは、「有事ムード」と「代替通貨」が上昇圧力をかけると、考えています。ウクライナ危機が沈静化しないと考えることや、特に年後半に米国の利上げの温度感が低下し(場合によっては利下げ実施も)、ドル安が目立つと考えるためです。

同じ短中期のテーマ「代替資産」は、下落圧力をかけると、考えています。米国の利上げの温度感低下、中国のロックダウン解除などにより、景気回復期待が浮上し、株価が上昇すると考えるためです。

短中期の三つのテーマには、上昇と下落、両方の圧力が存在するとみています。そして、それぞれの圧力が絶えず相殺されつつ、上昇圧力が優勢な状態(金価格が上昇しやすい状態)が現れやすくなると、考えています。(株高でも金高が起き得る)

中長期・超長期のテーマの中で、2023年の値動きをうらなう上で、最も注目しているのは「中央銀行」です。中央銀行は、自国の雇用や金利を調整したり、民間の銀行と資金のやりとりをしたりする、「銀行の銀行」と呼ばれる存在です。

「中央銀行」が金(ゴールド)の保有量を増やすと、金の需給バランスが引き締まり(あるいは、そうした印象を与え)、金価格を押し上げる要因になり得ます。2023年は、そうした動きが目立つ可能性があると、考えています。

次回以降、短中期のテーマの中で、2023年に特に重視されると考えている「代替通貨」に大きな影響を与えるFRB(米国の中央銀行にあたる。連邦準備制度理事会)の動きや、中長期のテーマの一つである「中央銀行」の動きに注目します。

図:2023年の7テーマの予想
図:2023年の7テーマの予想

出所:筆者作成
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このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。