[Vol.1389] 「まし」なインフレが需要回復「期待」を増幅

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。80.19ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,815.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。23年05月限は12,800元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年02月限は566.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで771.65ドル(前日比0.05ドル拡大)、円建てで3,400円(前日比17円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月27日 18時57分頃 6番限)
7,738円/g
白金 4,338円/g
ゴム 221.0円/kg
とうもろこし 44,700円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「『まし』なインフレが需要回復『期待』を増幅」
前回は、「2023年の原油相場、100ドルに達すると考える」として、WTI原油先物の価格推移と、2023年の筆者の見通し(想定レンジ)について、述べました。

今回は、「『まし』なインフレが需要回復『期待』を増幅」として、筆者が考える2023年の原油市場を取り巻く環境について、述べます。

2023年の原油相場は、2022年と同様、上昇要因と下落要因、それぞれの影響力が相殺されながら、推移するとみています。

通年で「産油・産ガス国の政情」起因の上昇圧力が存在する中で、年前半は「需要動向」起因の下落圧力が優勢に、年後半は逆に「需要動向」起因の上昇圧力が優勢になると考えています。

「温暖化対策」や「技術革新」、「食料問題」といったテーマは、中長期視点でとらえる必要があります。2023年にこれら起因の圧力が生じることもあるとみられますが、当該年に限った価格推移を考える際は、短中期のテーマ起因の圧力を優先して注視すべきであると、考えます。

図:2023年の原油市場を取り巻く環境(筆者予想)
図:2023年の原油市場を取り巻く環境(筆者予想)

出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。