[Vol.1410] 国内金(ゴールド)小売価格は最高値を更新

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。78.97ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。1,922.00ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。23年05月限は13,345元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年03月限は552.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで906.3ドル(前日比6.3ドル縮小)、円建てで3,820円(前日比10円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(1月30日 17時32分頃 6番限)
8,011円/g
白金 4,191円/g
ゴム 232.7円/kg
とうもろこし 43,570円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「国内金(ゴールド)小売価格は最高値を更新」
前回は、「インフレの動向は地域別の判断が必要」として、2023年のコモディティ(国際商品)市場を巡る環境について、筆者の考えを述べました。

今回は、「国内金(ゴールド)小売価格は最高値を更新」として、国内の金(ゴールド)税抜小売価格の推移を確認します。

1月25日、国内の代表的な大手地金商が提示する金(ゴールド)小売価格が最高値を更新したと、報じられました。これにより、同地金商の小売価格は、月間平均でも最高値を更新する可能性があります。(1月27日時点で1グラムあたり8,000円を超えた。税抜価格)

国内金小売価格が騰勢を強めている背景は、「ウクライナ危機がきっかけで発生している不安だ」との声がありますが、「ドル建て(だて)金価格の上昇」が直接的なきっかけであると、考えるのが、自然だと筆者は考えています(詳細を次回以降述べます)。

ドル建て金価格は、世界の金(ゴールド)価格の指標の一つです。先ほどの金(ゴールド)は、価格の単位が「円」、重さの単位が「グラム」でした。世界の指標は、価格の単位が「米ドル」、重さの単位が「トロイオンス(約31グラム)」です。

世界の指標(ドル建て)は、足元こそ反発色を強めているものの、昨年(2022年)は、国内の円建てのような急上昇は演じませんでした。次回以降、「川」の流れに例えて、こうした状況を説明します。

図:国内金(ゴールド)税抜小売価格(月間平均 23年1月は27日時点) 単位:円/グラム
図:国内金(ゴールド)税抜小売価格(月間平均 23年1月は27日時点)

出所:国内大手地金商のデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。