[Vol.1419] 今に強烈なスポットライトを当て続ける

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。ロシアの減産報道などで。79.95ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,875.10ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年05月限は12,545元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年04月限は549.5元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで914.7ドル(前日比0.4ドル拡大)、円建てで3,813円(前日比19円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(2月10日 19時11分頃 6番限)
7,846円/g
白金 4,033円/g
ゴム 224.1円/kg
とうもろこし 43,750円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「今に強烈なスポットライトを当て続ける」
前回は、「『中央銀行』を軸に長期投資に臨む」として、筆者が考える金(ゴールド)を取り巻く七つのテーマを、確認しました。

今回は、「今に強烈なスポットライトを当て続ける」として、海外ドル建て金(ゴールド)価格の推移を、確認します。

以下のグラフを見て、金(ゴールド)価格は「もう高い」と感じる方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、今起きていることを把握できれば([Vol.1413] 「過去」ではなく「今」を凝視することが必要で書いた、「過去」ではなく「今」を凝視することが必要、の考えにのっとれば)、金(ゴールド)を長期投資に用いることはできると、考えます。

過去の失敗や成功にしばられると、目の前で起きている事象を、正しく判断することができなくなることがあります。特に「成功」ほど、その傾向が強く、「あの時はあのパターンでうまくいった」「今回もうまくいくはず」と、今を直視せずに、判断してしまう場合が少なくありません。

これはいまだに「有事だけ」で金価格が動いていると、認識してしまっていることに似ています。こうしたことを避けるため、アルフレッド・アドラー(1870年、オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家)が提唱する「アドラー心理学」の柱の一つ、過去から自分を切り離すこと、「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当て続けること、を参考にすることが有効であると、筆者は考えています。

図:海外ドル建て金(ゴールド)価格の推移 単位:ドル/トロイオンス
図:海外ドル建て金(ゴールド)価格の推移

出所:国内大手地金商のデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。