[Vol.1421] 「ここからの長期投資」の前提を確認

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反落。米主要株価指数の反落などで。79.36ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,873.50ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。23年05月限は12,585元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年04月限は566.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで915.1ドル(前日比11ドル拡大)、円建てで3,856円(前日比10円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(2月14日 18時17分頃 6番限)
7,888円/g
白金 4,032円/g
ゴム 219.2円/kg
とうもろこし 44,000円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「『ここからの長期投資』の前提を確認」
前回は、「『NISAの日』で長期投資の認知進む」として、つみたてNISA対象商品(221本)を、確認しました。

今回は、「『ここからの長期投資』の前提を確認」として、自由民主主義指数0.4以下および0.6以上の国の数を、確認します。

スウェーデンのヨーテボリ大学のV-Dem研究所は「自由民主主義指数」を公表しています。0と1の間に決定する同指数は、0に近ければ近いほど「非民主的」、1に近ければ近いほど「民主的」であることを示します。

行政の抑制と均衡、市民の自由の尊重、法の支配、立法府と司法の独立性など、自由・民主主義的な傾向を示す複数の側面から、このデータは計算されています。

以下は、この指数が0.4以下の「非民主的な国」の数と0.6以上の「民主的な国」の数の推移です。

国をまたいだ「モノ」「ヒト」「情報」「お金」の往来を活発化させることで、世界全体を豊かにしていくことを象徴するキーワードである「グローバル化」は、「自由」で「民主的」であることが、求められます。民主的なプロセスで作られたルールが、自由なモノの行き来を支え・拡大させるためです。

その意味では、自由民主主義指数が高く「民主的である国」の数は、「グローバル化」の進展とともに増加してしかるべきです。実際に、グローバル化が急速に進展した1990年(冷戦終結)以降、民主的な国の数は急激に増加しました。しかし、上図のとおり、2010年ごろから増加が止まり、2020年以降は減少してしまっています。

このため、図の下部のとおり、冷戦が終結した1990年前後を「グローバル化開始」として、民主的な国の数の増加が止まった2010年ごろを「グローバル化行き詰まり」、民主的な国の数が減少しはじめた2020年以降を「グローバル化混沌(こんとん)」と記しました。

次回以降、「グローバル化」の長期視点の変化に注目します。

図:自由民主主義指数0.4以下および0.6以上の国の数(1984~2021年)
図:自由民主主義指数0.4以下および0.6以上の国の数(1984~2021年)

出所:V-Dem研究所のデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。