[Vol.1432] 金(ゴールド)、米雇用統計で短期の価格変動大

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。77.38ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,837.75ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。23年05月限は12,630元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年04月限は559.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで884.85ドル(前日比1.25ドル拡大)、円建てで3,905円(前日比4円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月2日 16時31分頃 6番限)
8,033円/g
白金 4,128円/g
ゴム 231.0円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「金(ゴールド)、米雇用統計で短期の価格変動大」
前回は、「『投資機会』としてのコモディティ価格」として、スマホアプリ(楽天証券提供)内で投資家の皆さまができることを、述べました。

今回は、「金(ゴールド)、米雇用統計で短期の価格変動大」として、ドル建てスポット金(ゴールド)の推移(5分足 終値)について、述べます。

短期視点の金(ゴールド)の価格動向に注目します。以下はCFD銘柄の一つ、金(ゴールド)の原資産であるドル建てのスポット(現物)の、2023年2月2日から7日までの価格推移です。価格が短時間で急騰・急落したことがわかります。

FOMC(米連邦公開市場委員会)の声明文が公開されたとみられる時刻(日本時間2日午前4時30分ごろ)から、2時間でおよそ26ドル(1.4%)も上昇しました。

当該FOMCでFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げ幅を0.25%に縮小したことを受けてドルが下落、同時にドルと「ほぼ世界共通のお金」という共通点を持つ金(ドル建てゴールド)が上昇、という流れが強まりました(ドル安・金高)。

同日夜(日本時間2日午後10時30分ごろ)、早朝と逆の動きが発生しました。同時刻に米国で発表された新規失業保険申請件数が、予想および前回よりも強い内容だったことを受け、利上げ継続観測が再燃してドルが上昇、同時に金が下落しました(ドル高・金安)。2時間でおよそ27ドル(1.4%)、下落しました。

そして翌3日の夜(日本時間3日午後10時30分ごろ)、2時間でおよそ38ドル(2.0%)も急落しました。前日の夜と同様、米雇用統計が強い内容だったことを受け、「ドル高・金安」が進行しました。

このように、市場が米国の金融政策に強い関心を示している場合、同金融政策の方向性に影響を与える経済指標の発表直後は、ドルや金(ドル建てゴールド)は、乱高下することがあります。

CFD取引はFXと同様、レバレッジが効いている上(てこの原理により、預けた資金以上の額の資金を動かすことができる)、値上がりで利益が出る「買い」(値下がりは損)、値下がりで利益が出る「売り」(値上がりは損)、どちらでも取引ができるため、こうした短時間の価格急変は、慣れた投資家の皆さまにとっては「投資機会」になるかもしれません。

図:ドル建てスポット金(ゴールド)の推移(5分足 終値) 単位:ドル/トロイオンス ※時刻は日本時間
図:ドル建てスポット金(ゴールド)の推移(5分足 終値)

出所:Investing.comの資料より筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。