[Vol.1453] 「高リスク時代」に社会人になった

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。80.02ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,983.40ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年09月限は11,915元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年05月限は569.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで986.6ドル(前日比3.50ドル拡大)、円建てで4,240円(前日比38円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(4月3日 17時41分頃 6番限)
8,413円/g
白金 4,173円/g
ゴム 212.7円/kg
とうもろこし 43,300円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「『高リスク時代』に社会人になった」
前回は、「金(ゴールド)相場の長期上昇要因になり得る」として、ドル建てスポット金(ゴールド)価格(月足 終値)の推移を、確認しました

今回は、「『高リスク時代』に社会人になった」として、「人類最後の日」までの残り時間(公表年のみ記載)を、確認します。

4月に入り、新しい年度を迎えました。会社に入るなどして、新しく社会人になられた皆様は、今後数十年間、さまざまなところでご活躍になることと、想像しております。

今、社会はどのような状況なのでしょうか。インフレ(物価高)や戦争が終わらず、安心や平穏、という言葉は当てはまらないように思えます。このため筆者は、今の社会が置かれている時代を「高リスク時代」だと考えています。

下の図は、米国の科学雑誌「Bulletin of the Atomic Scientists」(1945年にマンハッタン計画(第二次大戦中の米国の原爆開発・製造計画)に貢献したシカゴ大学の科学者によって作られた)が、1947年から公表している、「人類最後の日」までの残り時間を示唆する「終末時計」です。

もっとも新しい「終末時計」は2023年1月に公表されました。「人類最後の日」の午前0時00分まで残り90秒、つまり今が「前日の23時58分30秒」である、としています。これは、「終末時計」スタート以降、最も「人類最後の日」に近い時刻です。

この時計は、核のリスク(核兵器の使用)、気候変動(気温上昇による災害発生)、生物学的脅威(各種感染症の拡大)、破壊的な技術による大惨事(情報操作からドローンなどが有する潜在的な脅威)に対する世界の脆弱(ぜいじゃく)性を示す指標として、世界的に認知されるようになりました。

今、わたしたちは、さまざまなリスクにさらされているわけです。(こうした環境の中、新社会人の皆様は、第一歩を踏み出したのです)

図:「人類最後の日」までの残り時間(公表年のみ記載) 単位:分
図:「人類最後の日」までの残り時間(公表年のみ記載)

出所:Bulletin of the Atomic Scientistsのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。