週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 先週末のWTI原油は先週比3.51ドル安の52.63ドル、ブレント原油は4.30ドル安の57.92ドルとなった。

 前週末の海外原油マーケットは、サウジとイエメンが部分停戦に合意したと報じられたことや、サウジの生産能力が回復したとの情報が圧迫要因となり続落。その後は掘削リグ数の減少から下げ幅を縮小した。

 週明け30日は続落。予定通りにサウジの石油施設が完全復旧し、生産量が元の水準まで回復したことで供給懸念が後退した。またサウジのサルマン皇太子の発言によりイランへの報復呼応劇が回避される見通しとなったことも圧迫要因となった。1日も続落。米ISM製造業景況指数が47.8と2009年6月以来の低水準であったことから石油需要の下振れが警戒された。また、エクアドルが来年1月1日付でOPECを脱退することを発表したが相場への影響は限定的だった。翌2日は続落。引き続き米国の景気懸念が意識され株式とともに下押し圧力がかかる展開となった。EIA週報では原油在庫が310万Bの積み増しとなり、下げ幅を拡大する場面も見られた。3日は小幅続落。9月の米ISM非製造業景気指数が52.6と低下し2016年8月以来の水準となったことを嫌気して売られたが、米追加利下げ観測の高まりからNYダウが上げに転じたことから原油相場も安値から大きく戻して取引を終了した。

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。