米個人消費支出(PCE)物価指数のエネルギー・食品を除くコア指数が前年同月比4.7%上昇し、市場予想(4.6%)以上の伸びとなった。FRBが重視する物価指標がインフレ圧力の根強さを示し、金融引き締め長期化が意識された。CME Fed Watchでは、6月の利上げ確率が見送りを逆転してきた。
米債務上限基本合意案が議会で無事に採決するなら、ドル円は200日移動平均線を下値支持として、2022年10月高値~2023年1月安値までの下げ幅に対する61.8%戻し(142.5円)や、一目均衡表からの上値目標値であるN=141.6円、V=142.0円、E=145.9円などを試す流れとなりそうだ。
一方、土壇場で採決ならずとなるなら、ドル・米株共に急落リスクは依然として残ったままだ。
債務上限問題に波乱が起きなければ、6月FOMCでの追加利上げ思惑が高まる中、米雇用統計に注目が集まる。市場予想は、非農業部門雇用者数(NFP)は前月比+18万人と、前回(+25.3万人)から鈍化見込み。事前予想を超えて前回並みの伸びを示すようだと、ドル高に振れるだろう。NFPと失業率が悪くない水準で平均時給が伸びた場合も、ドル買いで反応する可能性。
ただし、ドル円の上値目標値近辺では、歳出削減や、米利上げ観測に伴う景気後退懸念が、戻り売り圧力として意識されそう。
FOMC(23/6/14)での金利決定予想