[Vol.1500] フタをされた金(ゴールド)相場

著者:吉田 哲
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原油反落。景気鈍化懸念を受けた需要減退観測などで。68.42ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,979.15ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年09月限は11,895元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年07月限は514.5元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで968ドル(前日比3.60ドル拡大)、円建てで4,366円(前日比9円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(6月12日 17時38分時点 6番限)
8,778円/g
白金 4,412円/g
ゴム 208.9円/kg
とうもろこし 40,300円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「フタをされた金(ゴールド)相場」
前回は、「彼らが原油の減産をする理由(長期視点)」として、WTI原油先物の価格動向を確認しました。

今回は、「フタをされた金(ゴールド)相場」として、国内外の金(ゴールド)先物相場の推移を確認します。

5月上旬に最高値を更新した円建て(価格の単位が円)の金(ゴールド)先物相場は、その後、横ばいで推移しています。以下のグラフのとおり「フタ」がのっているかのような、頭を押さえられ、上値を伸ばしにくい状態にあります。

また、世界の指標とされ、円建てをけん引する役割があるドル建て金(ゴールド)先物相場は、2000ドルの節目近辺で、浮いたり沈んだりして、目立った動きをしていません。

「小動き」や「さえない」という言葉が当てはまる、足元の国内外の金(ゴールド)相場。ともに史上最高値水準にあるため、思い切った上昇を演じにくいのかもしれません。

とはいえ、目立った下落も起きていません。なぜこのような動きになっているのでしょうか。そして今後、どのように推移すると考えられるのでしょうか。次回以降、数回に分けて、これらの問いを考察します。

図:国内外の金(ゴールド)先物相場の推移
図:国内外の金(ゴールド)先物相場の推移

出所:マーケットスピードⅡ、Investing.comのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。