[Vol.1544] 195.5円は既定路線なのか!?

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。82.25ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,936.30ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。24年01月限は12,805元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年09月限は662.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1039.2ドル(前日比2.00ドル拡大)、円建てで4,738円(前日比26円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(8月15日 16時31分時点 6番限)
8,916円/g
白金 4,178円/g
ゴム 195.4円/kg
とうもろこし 40,050円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「195.5円は既定路線なのか!?」
前回は、「お盆直撃!ガソリン小売価格が大幅上昇」として、国内のガソリン小売価格(月間平均)について、述べました。

今回は、「195.5円は既定路線なのか!?」として、国内のガソリン小売価格(週ごと)について、述べます。

資源エネルギー庁は、補助金がなかった場合の予測値を算出しています(補助金の効果を示すことが目的とみられる)。この予測値によると、8月7日時点で補助金がなかった場合のガソリン小売価格は195.5円でした。同時期の実績値(補助金ありの全国平均)が180.3円だったため、補助金の効果は15.2円(195.5円-180.3円)だったことになります。

この補助金は、6月以降、段階的に縮小しており、9月で終了する見通しです。補助金の終了は、補助金の効果がゼロになることを意味します。仮に補助金の効果がゼロになったことが直ちに反映した場合、小売価格は今よりも15円以上高い、195.5円になるとみられます(数週間から数カ月の時間差は発生し得る)。

すでに、政府からの補助金を受け取り、小売価格の高騰を抑える燃料油価格激変緩和対策事業に参加している大手石油関連会社30社超に属さない(補助金の影響が及ばない)ガソリンスタンドや、人件費が一般のスタンドに比べて割高な傾向がある高速道路のスタンドなどでは、200円を超えているところがあります。

足元、「全国平均価格が200円」に達するかどうか、固唾(かたず)をのんで見守っているドライバーの方々も、おられるのではないでしょうか(筆者も生活のため、自家用車を利用している。最近、国道沿いのガソリンスタンドの看板を見るたびに、さまざまな思いに駆られている)。

図:国内のガソリン小売価格(週ごと) 単位:円/リットル
図:国内のガソリン小売価格(週ごと) 単位:円/リットル

出所:資源エネルギー庁のデータなどをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。