[Vol.1547] ガソリン小売価格200円超の現実味

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。80.12ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,921.35ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年01月限は12,795元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年10月限は638.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1019.7ドル(前日比0.10ドル拡大)、円建てで4,666円(前日比1円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(8月18日 18時23分時点 6番限)
8,843円/g
白金 4,177円/g
ゴム 198.0円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「ガソリン小売価格200円超の現実味」
前回は、「原油相場は今後、下落圧力低下へ」として、NY原油先物価格の推移について、書きました。

今回は、「ガソリン小売価格200円超の現実味」として、ガソリン小売価格、ドル/円、原油価格の推移について、書きます。

前回述べた原油市場を取り巻く環境を考慮すると、長期視点では、原油価格はこれまでのレンジの上限である84ドルを超える可能性があると、筆者は考えています。そしてその延長線上に、日本のガソリン小売価格が200円に到達するカギとなる「98ドル」に到達する可能性があるとみています。

米国起因の、国債の格下げ、銀行の連鎖破綻、債務上限問題のような、「単発の不安」は今後も何らかの形で発生する可能性がありますが、あくまで単発で終わる可能性の方が高いと考えます。来年、米大統領選の候補者らは、不景気の状態で選挙戦に突入したくないと、考えているのではないでしょうか。

ただし、ドル/円が急激に円安方向に推移した場合は、98ドル手前で200円に到達、同円高方向に推移した場合は、98ドルを超えても200円に到達しない場合も想定されます。また、このシナリオは、補助金が再開されないことを前提としています。

図:ガソリン小売価格、ドル/円、原油価格の推移(2022年1月16日を100として指数化)
図:ガソリン小売価格、ドル/円、原油価格の推移(2022年1月16日を100として指数化)

出所:資源エネルギー庁、Investing.comなどのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。