[Vol.1550] 太陽電池と中国の関係

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反発などで。78.95ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,933.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年01月限は13,225元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年10月限は633.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1005.2ドル(前日比4.70ドル拡大)、円建てで4,602円(前日比10円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(8月23日 17時57分時点 6番限)
8,891円/g
白金 4,289円/g
ゴム 203.9円/kg
とうもろこし 39,900円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY銀先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス
NY銀先物(期近) 月足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「太陽電池と中国の関係」
前回は、「再生可能エネルギー先進国としての中国」として、太陽光による発電量(上位五カ国)について、書きました。

今回は、「太陽電池と中国の関係」として、太陽電池のセルとモジュールの生産シェアについて、書きます。

中国と太陽光発電を結びつける要素に、太陽電池に欠かせないシリコンの生産量が多いことが挙げられます。

中国は、世界のシリコン生産の七割弱を占めています。シリコンの原料である珪石の生産量が多いことや、それを加工する技術が広がっていることが背景にあると、考えられます。

そして、中国ではそのシリコンを使って、太陽電池のセル(最小単位のパネル)やモジュール(セルを組み合わせたもの)が作られています。

太陽電池は多くがシリコンを用いて作られています(シリコン系)。こうした装置を製造しやすい環境が、中国を太陽光発電量、世界No1へと押し上げていると考えられます。

中国の太陽光による発電量が他国に比べて多い理由については、以下のように考えられます。

(1)石炭依存度が高く排出するCO2の量が多いため、それを相殺できる仕組みを強化する必要があるため
(2)再生可能エネルギーの分野で他を圧倒して、脱炭素を推進する欧米と対等に渡り歩く政治的影響力を確保するため
(3)ビジネス的な観点から当該分野の先駆者になるため
(4)広い国土や資源に恵まれ、再生可能エネルギー(特に自然由来)を確保しやすいため

図:太陽電池のセルとモジュールの生産シェア(2019年)
図:太陽電池のセルとモジュールの生産シェア(2019年)

出所:IEAのデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。