[Vol.1579] 太陽光・風力が化石燃料の代わりになる

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反落。米主要株価指数の反落などで。87.62ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの上昇などで。1,837.15ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)国慶節のため休場。

上海原油(上海国際能源取引中心)国慶節のため休場。

金・プラチナの価格差、ドル建てで962.95ドル(前日比1.05ドル拡大)、円建てで4,595円(前日比23円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月4日 19時29分時点 6番限)
8,741円/g
白金 4,146円/g
ゴム 234.8円/kg
とうもろこし 39,040円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「太陽光・風力が化石燃料の代わりになる」
前回は、「『新しい石油』という考え方」として、IEAが示したネット(正味)ゼロ シナリオ(2023年更新版)の概要について、述べました。

今回は、「太陽光・風力が化石燃料の代わりになる」として、IEAが示した2050年までのエネルギー供給のロードマップ(2022年比)について、述べます。

化石燃料の消費減少と再生可能エネルギー由来の電力増加を同時進行させることが、前回触れたNZE本シナリオの骨子だといえます。以下は、NZEシナリオにおける、由来別のエネルギー供給量(2022年比)の推移です。

太陽光と風力由来のエネルギー供給が大きく増加することが想定されています。同時に、石炭、石油、天然ガスといった化石燃料が大きく減少することが想定されています。また、各分野で省エネが進み、世界全体としては、エネルギー需要がやや減少することが想定されています。

天然ガスを燃焼した際に発生する二酸化炭素の量は、石炭や石油のそれよりも少ないとされているため、足元、特に石炭の代替として天然ガスが重用されている地域があります。

ですが、NZEシナリオではこうした石炭の代替の天然ガスの消費をも削減することが、想定されているようです。こうしたことも含め、冒頭で述べたように、このシナリオは「非常に大胆」であると言えます。

図:IEAが示した2050年までのエネルギー供給のロードマップ(2022年比) 単位:EJ


出所:IEA(国際エネルギー機関)のデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。