[Vol.1625] 再確認「原油市場を取り巻く環境」

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。71.42ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。2,000.05ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年05月限は13,590元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年01月限は554.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1079.05ドル(前日比1.05ドル拡大)、円建てで5,024円(前日比12円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月12日 17時18分時点 6番限)
9,293円/g
白金 4,269円/g
ゴム 242.5円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「再確認『原油市場を取り巻く環境』」
前回は、「高止まり&小動きだった23年」として、NY原油先物(日足 終値)の価格推移を確認しました。

今回は、「再確認『原油市場を取り巻く環境』」として、原油市場を取り巻く環境を確認します。

原油市場を取り巻く環境をまとめると以下のようになります。テーマを時間軸でわけることは非常に重要です。値動きとテーマの時間軸をそろえることが、正しい分析や精度の高い予想を手繰り寄せると考えるためです。

短期的な値動きを超長期視点のテーマで説明するなど、矛盾を抱えないように配慮しなければなりません。

例えば、世界規模の気候変動に対応する策を考える会合で化石燃料(原油、天然ガス、石炭)を使わないことを決定したとしても、化石燃料の需要はすぐにはなくなりません。人類はこれまでに発見してきたぜいたくをすぐに捨てることができないためです。

この場合、長期視点で少しずつ化石燃料の需要が減少し、それに応じて長期視点で少しずつ原油相場に下落圧力がかかることが想定されます。(こうした会合は短中期的な原油相場の変動要因にはなり得ない)

2023年の状況を確認したり2024年を展望したりすることは、短中期的な時間軸の値動きに着目する行為であるため、注目するテーマは(1)産油国の動向と(2)需要動向の二つです。

図:原油市場を取り巻く環境
図:原油市場を取り巻く環境

出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。