[Vol.1629] 史上最高値を更新した23年

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。72.23ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。2,037.25ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年05月限は13,575元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年02月限は546.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1085.2ドル(前日比1.00ドル縮小)、円建てで4,959円(前日比3円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月18日 14時17分時点 6番限)
9,250円/g
白金 4,291円/g
ゴム 235.5円/kg
とうもろこし 37,310円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス<br /> 1_231218_rakutensec_Yoshida<br />

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「史上最高値を更新した23年」
前回は、「今こそ実情に即した分析を」として、NY原油先物市場における取引参加者の数について述べました。

今回は、「史上最高値を更新した23年」として、2023年のドル建て・円建て金(ゴールド)価格の推移について述べます。

今回より数回にわけて、2024年の金(ゴールド)相場を展望します。2024年を展望する上で、2023年が金(ゴールド)相場にとってどんな年だったかを確認する必要があります。2023年に生じた要素が持ち越され、2024年も価格を変動させる可能性があるためです。

2023年12月、国内外の金(ゴールド)相場は史上最高値を更新しました(海外ドル建て価格は1トロイオンスあたり2,100ドルに、国内円建て価格は1グラムあたり10,000円に到達)。

過去のどの価格よりも高い水準に達した背景に、「有事ムード」や「代替資産」といった、金(ゴールド)相場に短中期的な影響を及ぼし得るテーマ起因の上昇圧力がかかったことが挙げられます。

同じ短中期視点のテーマである「代替通貨」起因の下落圧力を受けながら、史上最高値を更新しました。以下は2023年の値動きとこれらのテーマ起因の上昇・下落圧力のイメージです(12月15日時点)。

「代替通貨」起因の下落圧力が存在したことで2,000ドルを超えたあたりで上値を抑えられ、同時に「有事ムード」と「代替資産」起因の上昇圧力が存在したことで1,800ドル付近まで下落すると反発色を強めました。

2023年の金(ゴールド)相場は、史上最高値水準で繰り広げられた上昇圧力と下落圧力の攻防によって形成されたと言えるでしょう(年平均でおよそ1940ドル)

図:2023年のドル建て・円建て金(ゴールド)価格の推移
図:2023年のドル建て・円建て金(ゴールド)価格の推移

出所:LBMAおよびマーケットスピードⅡのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。