[Vol.1660] サッカーアジアカップで日本惜敗

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。72.42ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。2,039.95ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年05月限は13,385元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年03月限は556.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1141.1ドル(前日比11.00ドル縮小)、円建てで5,379円(前日比0円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(2月5日 16時57分時点 6番限)
9,676円/g
白金 4,297円/g
ゴム 289.4円/kg
とうもろこし 37,500円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「サッカーアジアカップで日本惜敗」
前回は、「分断起因の減産が原油相場を支える」として、リーマンショックを起点とした西側・非西側間の分断とコモディティ相場への影響について述べました。

今回は、「サッカーアジアカップで日本惜敗」として、サッカーアジアカップ決勝トーナメントにおける2月5日時点の状況について述べます。

中東のカタールでサッカーのアジアカップが行われています(2月11日まで)。日本代表はグループステージを2勝1敗で通過し決勝トーナメントに進出しましたが、2月3日に行われた同トーナメント2回戦で敗れました。

以下の図のとおり、日本代表のベスト4進出をはばんだのは「イラン」でした。日本代表は後半に入って間もなく同点に追いつかれました。その後は何度も好機を作るも、強豪イランの猛攻を受けて試合終了間際にペナルティーキックを与えました。そしてこのペナルティーキックによる1点が決定打となりました。

現地で観戦していた旅系YouTuberは自身の動画の中で、開催国が中東であるだけに、イランだけでなくカタール、バーレーン、サウジアラビアなどの試合は観客が多い傾向があると伝えています。確かに動画を見る限りその傾向があります。

一口に中東といっても国の情勢は異なります。アラブ人が多いイメージを抱く人は多いと思いますが、例えば開催国であるカタール、日本代表が決勝トーナメント1回戦で下したバーレーン、そして同トーナメント1回戦で韓国代表と善戦したサウジアラビアの主な民族はアラブ人です。ですがイランは違います。イランはペルシャ人です。

OPEC(石油輸出国機構)の会合で各国の代表が集まった際、アラブ諸国の代表はアラブ人特有のいでたちですが、イラン代表はジャケット姿です。

サッカーの国際大会が盛り上がりを見せている一方で、ベスト16に進出したパレスチナのガザ地区では戦闘が続いています。ベスト8をかけたカタールとの試合でもガザ地区の出身の選手が活躍したといいます。

同じくベスト16に進出したイラクとシリアでは2月初め、それぞれの国で活動する新イラン組織に対して米軍が報復攻撃をしました。報復のきっかけとなった兵士が死亡した事件は1月終わりにヨルダンで発生しました。ヨルダンもまた、ベスト16に進出した国の一つです。

今回からの数回は、ベスト4に進出した「イラン」に注目します。過去アジアカップで三度優勝している同国は今、国際情勢上、極めて重要な位置にあります。サッカーと国際情勢が切り離されて伝えられるケースが少なくありません。国際情勢上のイランとは、一体どのような国なのでしょうか。

図:サッカーアジアカップ決勝トーナメント(2月5日時点)
図:サッカーアジアカップ決勝トーナメント(2月5日時点)

出所:各種報道をもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。