[Vol.1669] バブル期は日々、美しい連続性を維持

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反落。米主要株価指数の反落などで。77.73ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。2,031.45ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年05月限は13,465元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年04月限は600.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1117.15ドル(前日比6.55ドル拡大)、円建てで5,362円(前日比21円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(2月19日 18時40分時点 6番限)
9,734円/g
白金 4,372円/g
ゴム 300.8円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「バブル期は日々、美しい連続性を維持」
前回は、「NISA利用の長期投資は最高の生涯学習」として、1990年以降の世界全体の民主主義の変遷と市場環境(筆者イメージ)ついて述べました。

今回は、「バブル期は日々、美しい連続性を維持」として、バブル絶頂期の日経平均(1989年9月19日~12月29日まで 日々の始値と終値)について述べます。

足元、主要国の株価指数が騰勢を強めています。米国のNYダウやS&P500、ドイツのDAX、フランスのCAC40、オランダのAEX、台湾の加権指数、インドのSENSEXなどです。中でも、日本の日経平均は1989年12月29日につけた記録的な高値である3万8915円87銭(終値ベース)近辺で推移しています。

1989年はバブル経済絶頂期でした。以下は当時の日経平均の推移です。記録的な高値に向けた上昇劇を振り返ることができます。毎営業日の始値と終値を示しており、赤が上昇した日、青が下落した日です。このころの日経平均は、前日の終値と当日の始値の間隔が非常に小さく、日々の値動きに高い連続性があったことがわかります。

日経平均の日々の値動きに高い連続性があったことは、欧米の影響をさほど受けず、ほとんど日本固有の材料で価格が動いていたことを示唆しています。つまり、当時の日経平均は日本の日本による株価指数だったと言えます。日本固有の材料で凛として動く、先進国日本の世界に誇れる株価指数でした。

この頃、日本の企業や政府、金融関係者や投資家等は、自分たちの経済活動が株価を動かしているという感覚の中で、記録的な価格上昇を目の当たりにしていたと思います。

図:バブル絶頂期の日経平均(1989年9月19日~12月29日まで 日々の始値と終値)単位:円
図:バブル絶頂期の日経平均(1989年9月19日~12月29日まで 日々の始値と終値)単位:円

出所:QUICKのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。