[Vol.1695] 日米の金(ゴールド)は中長期的に上昇か

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。81.85ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。2,219.25ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年09月限は14,570元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年05月限は636.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1304.45ドル(前日比2.65ドル拡大)、円建てで6,288円(前日比80円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月28日 14時30分時点 6番限)
10,685円/g
白金 4,397円/g
ゴム 326.5円/kg
とうもろこし 39,500円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「日米の金(ゴールド)は中長期的に上昇か」
前回は、「米利上げ時ドル建て金(ゴールド)下げず」として、FFレートとドル建て金(ゴールド)価格の推移について述べました。

今回は、「日米の金(ゴールド)は中長期的に上昇か」として、金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2024年 筆者イメージ)について述べます。

国内小売の主たるけん引役であるドル建ての今後の動向について考えます。過去半世紀の国内小売とドル建ての価格推移を振り返ると、足元の水準が両者ともに史上最高値水準であることや、長期視点でドル建てが上昇すると国内小売も上昇する傾向があることなどがわかります。

以下に記した短中期(三つ)、中長期(三つ)、超長期(一つ)、合計七つのテーマを俯瞰することで、今後の動向を考えやすくなります。

短中期的には代替資産起因の下落圧力(株高)にさらされながらも、有事ムード起因の上昇圧力(複数の戦争などによる不安)、および代替通貨起因の上昇圧力(米利下げがもたらすドル安)によって、上昇するとみています。

中長期的には、新興国を中心とした中央銀行の金(ゴールド)保有量増加や、採掘コスト上昇により鉱山生産が減少する懸念などが上昇圧力をかけ続けると考えています。中長期的なドル建ての上昇に追随し、国内小売は日銀によるマイナス金利解除や利上げ検討でも上昇する可能性があるとみています。

図:金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2024年 筆者イメージ)


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。